第2印 頼れる仲間


ー翌日ー


何かやたら眠い気が…昨日は夜にずっと見張りとか戦闘だったりとかであまり眠れなかったからかな…?

「さて…仕事しなきゃ。」

髪を結んで街に置いてある仕事場の机に向かった。


ー数時間後ー


「……今日は依頼来ないね…」

『もう閉めても良いんじゃないかしら?』

玲子ちゃんはそう言うけどなぁ…確かにこういうことは何度もあったけど…

「経営はどうだ?」

「酒王さん!酒殿さん!」

この二人は三年前に温泉で知り合って以降、度々会っている妖怪の兄妹だ。お兄ちゃんが亡くなってからはかなりの頻度で会いに来てくれている。私達にとっては頼れる仲間であり、良き友人とも言える二人だ。

「今日は中々依頼が来なくて…玲子ちゃんが閉めても良いんじゃないかって。」

「そうなんだ。なぁ、玉には息抜きしたらどう?最近ずっと働きっぱなしだろ?」

「俺達はこれからあの温泉で一息つくところだ。お前もどうだ?」

二人に言われたからには一息つこうか…玲子ちゃんも疲れてるだろうし。

「じゃあ私も行きます。体を休めるのも大事ですからね。」

「やっぱそうこなくっちゃな!」

机の上に「営業休み」の札を出して、私達は温泉へと向かった。


ー温泉ー


「ふぃ~…ここの温泉は凄い癒されるなぁ~…」

相変わらず日本酒を浮かせて飲んでいる。これだけ飲んでも全く酔わないのは体質の関係…?

「こうやって見ると、美子も成長したね~大人の感じが出てきたよ。」

「そんな…私もまだまだですよ。」

17歳になってからと言うものの、よく周囲に「大人っぽくなったね」と言われる…私って女の子としてはどうなんだろう?

「聞いたよ、あんた昨日は網切って妖怪と交戦したんだろ?」

「はい、でも素早くて中々倒せませんでしたよ。」

『さらに言うと気味が悪かったわ。』

「あ…今、玲子ちゃんが「気味が悪かった」って。」

「そりゃあ、あんな妖怪は女の子にとって気味が悪いのなんの当然だよ。」

まぁでも、玲子ちゃんのおかげで依頼は達成されたから…一件落着だよね。




「よしっ!気分も晴れたことだし、明日から仕事頑張れよ!」

「今日はありがとうございました。酒王さん、酒殿さん。」

「礼は良いぞ。お前の疲れがとれたのならそれで良い。」

ここで酒王さんと酒殿さんと別れ、宿を目指して歩いた。橙色の夕焼けが綺麗だったのが、宿に着いた頃には星空が輝く夜になっていた。

第2印、完。

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