第11話
4番手は、一寸法師です。
「はじめまして、かぐやひめさま」
「これは、またかわいらしい、王子様ですね」
一寸法師は、メガホンで話をしています。
「かわいいとは、大の男に失礼ですね」
「かわいいは、女の口癖です。多目に見て下さい」
確かにかわいいは、女の口癖。
一種の母性本能でしょう。
多分・・・
「ところで、一寸法師さんは、どうして私を?」
かぐやひめは尋ねます。
「前の奥さんが、うちでのこづちで、僕を高身長にしてくれたのですが・・・」
「はい」
「もう、高身長の男は飽きたと、僕を捨てたんです」
「で、どうしてまた、小さくなったんですか?」
「うちでのこづちは、愛の力がないと、効果がなく・・・」
「ええ」
「僕への愛がなくなりましたので、元に戻ったのです」
「はい・・・」
「それで・・・」
一寸法師のなげきは、続きます。
「それで・・・それで・・・」
「はい」
「う・・・うわーん。お姫様、会いたいよう・・・」
一寸法師は、泣きだしました。
かぐやひめも、まわりも困ってしまい、泣きだしました。
「一寸法師さん」
「・・・ひめ?」
入ってきた姫は、一寸法師を抱きしめます。
「ごめんなさい。私、気付きました」
「ううう・・・ひめ・・・」
「あなたが、、本当に私を愛してくれていたことを、今更ながら、気付きました」
「ひめ・・・」
「ごめんなさい。ごめんなさい。よかったら・・・また・・・」
「・・・ひめ・・・」
「もう、離しません。終生、あなたを愛し続けます」
ふたりは、去っていきました。
元カノと復縁した一寸法師は、辞退です。
「なんのこっちゃ・・・」
そして、最後のひとりとなりました。
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