第10話
3番手は、金太郎です。
「初めまして、かぐやひめさま。僕は、金太郎と申します」
「初めまして。金太郎さん、かぐやです」
微笑みますが、怪訝な表情を浮かべます。
「・・・坂田の金時さんと、おっしゃるんですね」
「はい」
かぐやひめは、金太郎の履歴書を見ます。
「金太郎さん・・・お伺いしていいですか?」
「はい」
「経歴が、あまり書かれていませんが、教えていただけますか?」
「過去の事はどうでも・・・」
「いいえ。もし夫婦になるのなら、妻として知る権利があります」
金太郎は、少し迷っています。
「子供の頃、クマと相撲をとりました」
「それから」
「クマに乗り、お馬のけいこをしました」
「それから」
「まさかりを、かついでいました」
「それから」
金太郎は、言葉に詰まりました。
「金太郎さんは、私の事はご存知ですよね?」
「はい。もちろんです」
金太郎は、かぐやひめの経歴を、言いました。
レクチャー済みのようです。
「なら、あなたの事を知らないのは、不公平ですよね?夫婦として・・・」
かぐやひめは、追い詰めます。
「でも、これ見て下さい」
金太郎は、細長い飴を差し出しました。
「千歳飴ですか?」
「違います。これ、面白いんですよ」
金太郎は、もっていた西洋小型包丁で、飴を切って行きました。
「これ、どこを切っても、僕の顔が出てきます」
「・・・面白いですね・・・」
かぐやひめは、苦笑します・・・
「金太郎飴といって、評判で・・・」
周囲は、しらけています。
「・・・でなおしてきます・・・」
金太郎は、すごすごと帰って行きました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます