第8話
まず最初の1人目は、浦島太郎です。
「かぐやひめさん、はじめまして。浦島太郎と言います」
「うらしまさん、はじめまして。かぐやです」
かぐやひめは、(営業)スマイルで答えます。
おじいさんたちは、横で見守っています。
「ところで、浦島さんは、どうして私と結婚したいのですか?」
「かぐやひめさんが、お美しいからです」
「でも、50年後はわかりませんよ」
かぐやひめは、疑問を投げかけます。
「私は、かぐやひめさんを、終生愛し続ける事をちかいます」
浦島太郎は、自信満々です。
「でも、浦島さんには、乙姫さんがいますよね?」
「あれは、だめです」
「どうしてですか?」
かぐやひめは、訊きました。
「詐欺師です」
「詐欺師ですか?」
かぐやひめは、訊きました。
「それに、わがままで、駄々っ子で、何でも自分の物にしないと、気に済まなくて・・・」
浦島太郎は、乙姫の悪口を言いまくりました。
「太郎さんは、私の事をそう思っていたのですか?」
「えっ?」
浦島太郎が振り向くと、そこには鬼の形相の乙姫がいました。
「太郎さん、いいましたよね?私を愛し続けると・・・」
「でも、あの時は、こうなるとは・・・」
乙姫は、浦島太郎の襟首をつかみます。
「竜宮城で、話を聞かせてもらうわよ。入院は覚悟しなさい」
乙姫は、浦島太郎をひっぱっていきます。
「ほら、これですから・・・」
浦島太郎の最後の抵抗も、ききません。
「じゃあ、かぐやちゃん、ガンバ」
乙姫は、眼で合図を送ります。
浦島太郎は、失格です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます