第3話

「どうして、私とかぐやは、土俵にあがってはいけないんだい?」

おばあさんは、つめよります。


「土俵は、女人禁制です」

鬼はいいました。


おばあさんとかぐやは、「男女差別だ」と怒っていましたが、

内心は、「私たちも、かよわい女なんだ」と、女性として見てくれた事に、喜んでました。


まずは、第1戦です。

先鋒同士の対戦です。


鬼サイドじゃ、全員横綱級を集めてきました。


鬼は、鬼の花という力士を出して来ました。

おじいさんサイドは、鳥です。


鬼の花は、軽く勝てると思っていました。

しかし、出てきた鳥は、鷲でした。


「こら、ももたろうの鳥と言えば、キジだろう?」

鬼サイドは、クレームをつけますが、それは鬼サイドが勘違いしたので、

文句は言えません。


取り組みが開始すると、鷹は鬼を足で掴み、土俵の外へと出しました。


まずは、1勝です。


次は次鋒同士です。


鬼サイドは、鬼の海です。

「猿なら、勝てるな」

また、見下しています。


しかし、おじいさんサイドが出して来た猿は、ゴリラでした。

「コラ、どうしてこの時代にゴリラがいる?」

鬼サイドは、クレームをつけます。


しかし、こういった話では、時代考証は無視するのが、お約束なので、クレームは通りません。

ゴリラは、軽々と鬼の海を持ちあげ土俵の外に出しました。


おじいさんサイド、2勝目です。


そして、中堅同士の試合です。


鬼サイドは、鬼の富士です。

体は一番小さいですが、その分欽肉が発達しています。


鬼サイドは、「今回は勝てるな」と、また余裕綽々です。

しかし、おじいさんサイドが出して犬は、ドーベルマンでした。


「コラ!柴犬か秋田犬ではないのか?」

やはり、抗議をしてきます。

しかし、ももたろうの犬=柴犬というのは、鬼の勝手な判断。

クレームは通りません。


鬼の富士は、ウルフというあだ名がありますが、所詮は人間。

ドーベルマンには、敵わなくて、鬼の富士は転んでしまいました。


おじいさんサイド、3勝目です。

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