第2話
初めて見る鬼たちに、おじいさんも、おばあさんも、
ももたろうも、かぐやひめも、驚いています。
「突然、すいません。実はこのふたりは、もともと、月の世界の人なんです」
鬼は、淡々と答えます。
「若くして結婚してしまい、育てる自信がなく、泣く泣く地球へと捨てたのです。
でも、ようやく育てる自信がついたので、迎えに来たのです」
鬼は答えます。
おじいさんと、おばあさんは、言いました。
「私は、派遣されてきたのです」
少し泣いています。
気の毒です。
「終わった?」
「はい。それでは・・・」
「お帰り下さい。この二人は私たちの子です」
おじいさんが、いいます。
「でも、もともと・・・」
鬼はなんとか、説得しようとします。
「生みの親より育ての親です」
おじいさんは、論します。
おばあさんは、沈黙しています。
自分は手を出さないほうが、いいと判断しています。
さすがに、鬼が気の毒のようです。
鬼は、ももたろうと、かぐやひめを連れて帰ろうとしました。
ももたろうも、かぐやひめも、まだ子供なので、大人には敵いません。
必死に抵抗しています。
「いいかがんに、しな」
そこへ、おばあさんがやってきて、鬼を投げ飛ばしました。
「安心しな。急所は外しておいた」
鬼は痛くて苦しんでいます。
「おばあさん、やりすぎでは?」
「じいさん。子供を守るのは、親の義務じゃよ」
「そうじゃなくて、もし訴えれたら・・・」
「正当防衛じゃよ、おじいさん」
過剰防衛は、知らないようです。
でも、鬼も派遣されて来た身、ただでは帰れません。
「わかりました。では後日、こちらから名の鬼を出します。
彼らに全勝すれば、このままにしておきます」
その言葉に、おじいさん、おばあさん、ももたろう、かぐや姫は、納得しました。
「但し、そちらからは、ももたろうさんの、お友達である、犬と猿と鳥を、そして、ももたろうさんと、おじいさんをお願いします」
それだけ言うと、帰って行きました。
おばあさんでは、さすがに勝ち目はないと思った見たいです。
かぐやひめは、顔に傷でもつけたら、問題のようです。
そして、約束どおり、鬼が5人の鬼を連れてやってきました。
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