14幕:人形使いは魔物退治をする2 下
【
【わかっている、、、みんなが時間を稼いでくれたんだ】
【それも限界ゆえ一気に決着をつけるぞ】
【もちろんだ!!】
【では先に行くぞ!!勝負は一瞬、それまでは皆で引きつける!!】
【任せたよ相棒たち!!】
【穀潰しタイミングを合わせよ!!】
【自宅警備員だって言ってんだろがっ!!指図はうけねぇ!!】
【隣家のアンちゃんを遊びに誘わんでもない】(扱いを心得ているコルドル)
【2秒で準備してやる!!】(キリッ!!)
【この下衆め、、、合体!!コルドル改四!!】
強化パーツを装備したコルドルも前線に加わった。
強化されたホットルとコルドルにハニー、ボーン、ウィッシュたち。
皆が同時に連続して各々の一撃を立て続けに浴びせ続ける。
しかしその度に再度復活する何かからは不気味なほどの雰囲気が漂っていた。
それでも僕は立ち上がった。
仲間たちが相棒たちが必死になって時間を作ってくれたんだ。
僕を待っていてくれたんだ。
頭の回転がそんなに早くない僕でもどうすれば奴を倒すことができるのか。
初めからその答えには変わりがなかったんだ。
僕の唯一の特技にして最大の必殺技。
相手が何だろうと厭わない。
『人形化』
貴族として生まれた僕は家族に見限られ家を追い出された。
基本魔術や魔法が使えなかったから。
一人で人形遊びを続けていたから。
人形に命を与えたから。
本当の理由なんてわからない。
その力は物を人形にすることだった。
物に命を与えることだった。
人形を生物にすることだった。
僕の人生をダメにして、そして僕の人生を取り戻させたこの魔術とも魔法とも言えるのか分からない僕だけの必殺技。
あの日初めて命を宿した二人が騎士のホットルと魔法使いのコルドルだった。
一人になった僕をホットルとコルドルはずーっと支えてくれた。
そしてさらに新たな仲間ができた。
ハニー、ボーン、ウィッシュたちだ。
彼らのおかげで僕の人生は賑やかになったんだ。
やがて色々な事に巻き込まれながらも新たな仲間ができた。
引き篭もりにグリンティアにパト。
引き篭もりは文句を言いながらも相棒たちを強化してくれている。
少なくとも彼のおかげで僕たちは強くなることができた。
かなりうざったらしい変態だし穀潰しだし人を顎で使おうとするけど。
幼女嗜好の変態だからそのうち犯罪者として突き出そうと思う。
少しは見舞金が貰えるはずだ。
グリンティアは僕に愛を教えてくれた。
彼女の微笑みは僕の生きる力だ。
何かと甘えてきたり手のひらで踊らせようとしたりするけど僕もそれについつい乗っかってしまうんだ。
でも笑って許せるだけの魅力が彼女にはある。
ただし怒らせる度に会計を押し付けられるのは困るんだけど。
そしてあの森で出会った幼女の仮面を被った悪魔のような幼女の大悪魔。
パトは僕に新たな門を開かせてくれた。
まさか幼女に蹴られて気持ちよくなる日が来るなんて、、、
そんなことは冗談だが、彼女がきっかけで僕の人生は変わり始めたんだ。
色々な人たちに出会い色々なことがおこり色々なことを経験した。
この短期間で僕は成長したんだ。
目の上のたんこぶだし顎で人を使おうとしてくるとんでもない幼女だけど。
まだ彼女は子供なんだ。
子供は親御さんや家族の側にいることが幸せなんだ。
だから彼女を無事、城まで送り届けたい。
こんな所で殺させやしない。
ちゃんと城の中の信頼できる部下たちに押し付けて報奨金だけを貰い、特別手当と経費を過剰請求してやるんだ。
もちろん迷惑料込みだ。
もし可能なら他の貰えるものは何でも貰うんだ。
そして僕は新たな冒険に出かけるつもりだ。
どこか遠くの国に。
もう巻き込まれたくないんだ。
訳がわからない荒事と悪魔の戯言にはね。
だから僕は立ち上がるんだ。
足に力を込め顔を上げ奴を睨みつける。
奮闘する仲間たちの勇姿に全身から溢れんばかりの力が湧き上がってくる。
僕は皆が再攻撃し再度復活した瞬間に合わせて奴に両腕を突き出した。
そして力を込め握りしめたんだ。
その得体の知れないモノの頭らしきものをね。
「これで終わりだ、、、」
【人形化!!】
そして奴は身動き一つ取れない僕の操り人形へと成り下がった。
気が抜けた僕はそのまま僕は膝を下ろし尻餅つきながら上を見上げた。
解き放たれた緊張感や極度の疲労よりも不思議と達成感が優っていたのかもしれない。
「綺麗だな、、、」
自然と独り言が出てしまった。
だって僕はこの日初めて知ったんだ。
そこには闇色じゃなく空いっぱいに輝く星の海が広がっていたんだ。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------
さらに生まれ変わったぬいぐるみホットルMk-Ⅳ、コルドル改四
(๑• ̀д•́ (๑• ̀д•́ )✧:パーツの射出が遅いぞ引き篭もり!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます