雑記8:ライトな物語と文学的な物語の差

って何だと思います?


ライトな物語っていうのは、なろう系と呼ばれたり、カクヨムでいうとラブコメジャンルや異世界テンプレとかで見るような作品を想定しています。

文学的な物語っていうのは、ライトノベルではないエンタメ小説の事です。(毎回思うんですが、こちら側の小説の分類を言い表す方法が分からない…。ライトノベルでも含む物があるような気がするんだよなぁ…)


私は基本的に後者の物語を好む人間ではありますが、ここでライトな物語の方についてこき下ろすつもりはありません。

たまに凄い反発を覚えている方を見かけたりしますが、内容を読んでもそういうジャンルなのでは?と思うだけです。

いいじゃないですか。擬音だらけで拙い文章でも。ゲームみたいな設定で現実味が感じられないでも。ヒロインの可愛いさが挿絵のイラスト頼りになってるでも。

そっちのジャンルは凄い事も成し得てるんですよ?

普段小説を読まない人々に文字を読ませ、イラストレーターに活躍の場を用意し、経済を回しています。

好みでないなら読まなければいい。

それはきっと貴方の為の物語ではないだけです。


そして私もほぼほぼ読みません。笑

物語の出だしを読んで、なんとなくその気配を感じたら興味が失せていくのですが、じゃあそれってどういう所でそう感じるのかな?って気にしながら読んでみました。


なろう系ってなんなの?

そのふわふわした定義について、私もちょっと考えてみました。


たまに自主企画とかで、なろう系お断り企画が上がってたりしますよね。硬派な作品希望、とか異世界転生・転移物は禁止とか。

こういう企画を見ると、私すごい悩むんですよね。

この希望条件は企画主が望む作品を本当に集められているのかなぁ?と。


「硬派な作品」って言われると、すごくハードルが上がりませんか?

ファンタジーで言うと、私は指輪物語とかを思い浮かべてしまいます。ちなみに私は指輪物語は最後まで読めませんでした。なんか疲れてしまって…。笑

世界観やら設定ががっちり固まってるような作品って事でしょうかね。

じゃあハリーポッターは硬派な作品ですか?

私のイメージではそこまで硬派かなぁ?って感じです。文字数が多いのでそういう意味では読むのは大変かもしれませんが、あれはティーンエイジャー向けに書かれた作品だった筈です。(作者のJKローリングが出版社に持ち込んだ際、10歳そこそこの子がこんな分厚い本を読める訳がない!と言われた事があった筈)

読み易いエンタメ小説って認識です。


「異世界転生・転移物は禁止」って書かれると、それを書いてる私はしょんぼりします。( ´・ω・)笑

おかしいな、いつから異世界転生・転移はなろう系の物語だと認識されてしまったのか…。

言ってしまえばハリーポッターも異世界転移では?

不思議の国のアリスは?

十二国記は?

ナルニア国物語は?

千と千尋の神隠しは?

ネバーエンディングストーリーは?

異世界転生・転移の物語には、私の好きなファンタジーのツボがわんさか含まれているのですが。

見た事もない世界に来て、主人公がとまどいながらもその世界に初めて足を踏み入れた時のあの感動や描写を見るのが、私は大好きなのですが。

それは全部対象外なのですか?(´;ω;)ションボリ


じゃあどう見分けるべきなのか?

何が「ライトな物語」と「文学的な物語」を分けているのか?

カクヨム作品を読んでいて、少なくともその差を分ける一つの要因になっている物があると気付きました。


それは「物語の進め方の違い」です。


「ライトな物語」は"台詞"で、「文学的な物語」は"地の文"で物語を進めようとする傾向があるのではないかと思います。

たとえば真冬のある日、屋内から屋外に出た際の場面転換の例で言うとこんな感じです。


ライトな物語:

「はー、さっむ……」

 凍てつく寒さに鼻が痛い。俺は首に巻いたマフラーに埋もれるように首を引っ込めた。

「早く帰ってこたつに入りたい……。……ん?」

 袖を引かれる感覚に後ろを振り返ると、そこには申し訳なさそうにこちらを見上げる少女がいた。


文学的な物語:

 しんしんと、大粒の白い塊が降ってくる。次から次に、とめどなく。

 凍てつく寒さに鼻が痛い。俺は首に巻いたマフラーに埋もれるように首を引っ込めた。

 早く帰ってこたつに入りたい、なんて爺臭い事を思いながら雪の積もった畦道を歩いていると、ふいに、くいと袖を引かれる。驚いて後ろを振り返ると、そこには申し訳なさそうにこちらを見上げる少女がいた。


全然文学的じゃないって? それは申し訳ない…。(-_-;)

でも違いは分かったのではないかと思います!(開き直り)

要は何かイベントが起こった時(場面転換や登場人物に異変が起きた時)に、台詞と地の文どちらを選択するかという事です。

上記の文をイメージしてみた時、ライトな物語の方がアニメ調で再現されませんか? そしてライトな物語の方が想像力を求められませんか?

「……ん?」っていう台詞を読んだ時点では、まだ彼の身に何が起こったのか分かりませんからね。ここがなろう系小説独自の「お約束」や「暗黙のルール」みたいなものがあると言われる所以だと思うんですよね。大体、こういうシーンではこうなる流れだろう?っていう共通ルール。なろう系小説を読んでいる人達からすれば何の違和感もなく受け入れられる展開でも、そのルールを知らない部外者が読むとなんで?となる。


自主企画を立てる際、もっと分かりやすい線引きを用意して貰えると有難いなぁと思います。

異世界テンプレ禁止!とか硬派な物語希望!とかだけだと、異世界テンプレがどういった物か分からなかったり、主観が強すぎて判断が難しいと思う事があります。


誤った意図で参加してしまって企画主を憤慨させるのも嫌だなぁと思って、判断に苦しむ企画はいつも参加を断念してしまう私です。(´・ω・)

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