第5話花を求めて

少女は何故自分が山へ来たのか話始めた。


「実は、この山の奥にある花を探してるんだ。でもなかなか見つけられなくて、また明日探しに行くつもりなの。」


「どうしてその花を探してるの?」


そう尋ねるメルに、少女は少し暗い口調で答える。


「お父さんが病気なの。それでお医者様が言うにはね、今ある薬じゃダメなんだって。」


「その時に、この花の噂を聞いたの。この山にある花はどんな病も直す薬になるって。だから探してるの。」


それを聞いたメルは何かを考えいるようだった。何かを思い出そうとしているようだ。


「ごめんね、変な話しちゃって! 2人は気にせず先に行ってね。それじゃおやすみなさい。」


そう言って少女は横になり、毛布にくるまった。


「うん、おやすみ。良い夢を〜、、、」


メルも返事をし、キャプテンと部屋を出て行く。メルの顔は、まだ何かを考えている様だった。


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「どうした?そんな浮かない顔して。」


自室に帰ってからもずっと、ベッドに腰掛けたまま考え事をしているメルに、キャプテンが尋ねる。


「なんかね、その花の話、聞いた事がある様な気がしてね。う〜ん、出てこない。モヤモヤする。」


頭を抱えながら言うメルに、キャプテンは欠伸混じりに言う。


「そんなに気になるなら、明日一緒に行けばいいじゃないか。ひょっとしたら何か思い出すかも知れないよ。あの子1人じゃ危ないかもな。」


そう言って、床にうつ伏せに寝転がる。

その様子に、メルは恨めしそうな目を向ける。


「いいな〜キャプテンは、他人事で。少しは心配とかしないの?」


「どっちの心配?メル?それともあの子?」


その問いに、メルはベッドに倒れこみながら答える。


「どっちも!!それじゃおやすみ、良い夢を!」


少し不機嫌そうなメルの声が返ってきた。


「ハイハイおやすみ。メル、良い夢を。」


気に留めた様子もなく、キャプテンも返す。


「(もしかしたら、以前のメルはここに来たのか?確かにこの小屋の場所も知っていた様だし。本人は気付いていないのか?)」


「(それなら、花を見る事で何か思い出すかも知れないな)」


心の中でキャプテンは呟き、そして目を閉じる。

そうだ、明日になれば分かる事だ。メルはきっと、少女と一緒に山の奥へ行こうとするだろう。そうなったら、自分も付いて行くだけだ。

そう考えながら眠りについた。

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