第16話 顧問 宮前先生
昼休みも半ば、校内放送がかかった。
「1年1組、
「ちょ、ちょっと宮前先生、校内放送でそう言う表現は」
途中で放送がブチっと切られたが、誰のところに行けばいいのかはわかった。担任の宮前真知子先生だ。
亮は弁当が済んで机に突っ伏して寝ている
「この
「ぜったいそうだよね、承認されたのかな」
「ドキドキします」
『失礼しまーす』
「おう、来たか。こっちの応接に座れ、お茶は出ないぞ」
『はい』
4人はパーテーションで囲われた簡易の応接室のスタッキングチェアに座った。
「同好会の件だが、承認されたよ。顧問はこの私だ。なんせメンバーが全員うちのクラスだし、どこの顧問もやってなかったからなあ。まあよろしく頼む」
『よろしくお願いします』
「部長は
「はい、よろしくお願いします」
「今後、連絡事項は微睡に伝えることにするからID教えろ」
「あ、はい」
真知子はQRコードを読み取った。
「活動場所は他の新規同好会との兼ね合いもあるから、決まるまであと数日待ってくれ」
「あのー、ピアノが有る場所ですか?」
「いや、無いよ。体育館のピアノを使いたかったようだが、あそこは部室としては使えない。キーボードは持ってないのか?」
「無いです」
「仕方ない、私が持ってるのを貸すよ。友達からの預かりものなんだが5年ほど引き取りに来ないし使ってもいいだろう、部室が決まったら持ってきてやるよ」
「キーボードだと私の実力が発揮できません」
「まあそう言うな、形式を整えておかないとな。いずれ生徒会が活動内容を確認しにくるからその時に一曲披露出来るようにはしておけ」
『え?』
「うん?一曲披露だ。新規同好会は申請書に沿って活動してないと、あっさりと解散させられるぞ」
『えええ?』
「すぐに確認に来るわけじゃないから大丈夫だ。部室が決まってから練習をすれば間に合うだろう。そろそろ昼休みが終わるから今日の活動はここまで。次は部室が決まったら集合な」
教室に戻りながら
「一回は合わせないといけないようだな」
「一回で
「あたし…歌わないからね~」
「私が歌うよ。ボーカル変更しました、ということでなんとかなるだろう。美咲は当初の目的であるスマホカメラでの撮影を頼む。外部発信しない活動記録って
「うん…ごめんねまどろみさん」
美咲はいつも活発で明るいのに、歌うことは
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