第5話 ラブ・アンドときたらピースだよね
ピース
写真を撮りまくっている女子が、また友達と写真を撮っていたので、タイミングを合わせてピースしてみたら、その女子がこっちに向かって来ます。怖いです、毎回写り込むなと怒られるのかも知れません。
「ねえねえ、ラブ・アンド…」
「え?」
「ラブ・アンド…」
「ピ、ピース」
その女子は笑いながら
「そう!わかってるね~、あたしは
「
「小清水さんは、カメラを向けたら条件反射でピースする人かな?」
御前浜さんは、ズケズケと言って来ます。前の学校には居ないタイプです。
「そういうわけでは無…」
返事の途中なのに御前浜さんは私の横に並びスマホのインカメラを向けて
「はい、撮るよ~、ラブ・アンド…」
「ピ、ピース」
「うん、良いのが撮れた!さっき
「あ、はい」
なんと、友達第3号ができました。私はスマホにQRコードを表示させ、まどろみ子さんについて聞いてみました。
「まどろみ子さんって、変わったお名前ですよね、苗字が窓で名前がロミ子なんでしょうか?」
御前浜さんはQRコードを読み取りながら、
「ロミ子?あはは、何それ、あの子は
いきなりこの質問がきました。でも外部進学した理由を聞かれるのは覚悟はしています。
「女神山女学館です」
「
「いつもウトウトまどろみ子さんなんですね」
外部進学の理由は聞かれませんでした。興味本位で聞かれるだろうと思っていた私が身構え過ぎだったのでしょうか。
ポキポキ、通知音が鳴り御前浜さんから写真が送られてきました。
「あ、ありがとうございます。すごく嬉しいです」
「良い写真でしょ、出会った日のピース、ぜったい大事な1枚になるよ」
本当に良い写真です。記念の1枚です。
男子も居るし、知らない人だらけの学校で緊張感が凄かったんですが、御前浜さんのおかげで楽になりました。ちょっと圧が強いですが、良い人です。
「
「なになに~」
さっき御前浜さんと写真を撮っていた女子がやってきました。
「こちら小清水嬢…小清水泉さん、
「そうなんだ、私は安井宮子、よろしくね~」
「よろしくお願いします」
「しゃべり方が丁寧だね~」
「お嬢だもんね、はい、並んで並んで、ラブ・アンド…」
「ピース!」
今度は3人で撮りました。さっきの写真もそうですが、人物はフレームの端に寄って背景が広々と写っています。なるほど、さっきまで私が後ろでコッソリとピースをしていたのがはっきりと写っていたのでしょう。ああ恥ずかしい。
宮子さんともID交換をして、友達第4号ができました。
「スマホの電源切って鞄の中にしまえー」
と、担任が入ってきました。
御前浜さんはコッソリ先生の写真を撮っていました。本当に写真がお好きなようです。
スマホの電源…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます