../書記:04月29日

 手足が鉛のように重い。まるで自分のものではないようだ。

 体調が優れない。吐き気がする。


 食事をしたのはいつぶりだろうか?

 普通のパンを口にしても、スポンジのように味がない。スープを口にしても、泥を飲んでいるようだ。

 これでは足りない。腹が減るばかりだ。

 肉ではない。もっと別の何かが必要だった。




 空腹に加え、ここ最近はろくに寝ていない。

 夢を見るのが恐ろしいのだ。夢を見てしまえば、目撃してしまう。

 思い出すのも憚れる、異界の地を。

 恐ろしい支配者が眠る、狂気の都を。

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