第06話 じゃがいも

 「今日の店は、写真禁止でネットに細かい情報がなかったの」


 「いいんじゃないかな。たまには行ってからの楽しみでも」


 情報不足。指揮官として申し訳ないわ。


 「計画が失敗するかもしれないけど許してね」


 「全然大丈夫」


 「ありがと、この道を曲がったところ。この赤と白の屋根オーニングの店!洋食シマシマよ」


 カラーン


 店の中は活気があり、客層は男性客が多い。


 「いらっしゃいませ。何名さまでしょうか?」


 「2名」


 「こちらの席にどうぞ。こちらがメニューになります。注文が決まりましたらお呼びください」


 「式部さん。このミックスフライ定食かな?」


 「そう、それよ。推測でごめんね。私の計画を話すわ」


 ――――――――――

 ミックスフライ定食

  じゃがいもの素揚げおかわり自由770円

 ――――――――――

 (内訳)

  フライA90円

  フライB90円

  フライC90円

  ごはん60円

  きゃべつ30円

  汁もの30円

  調理料100円

  合計 

   490円

 ――――――――――


 「770円-490円=280円 フライCをじゃがいもの素揚げとして、おかわり3回だね」


 「そう、それでいきましょ!」


 「わかった。じゃ、頼むね。すみませーん」


 「ハーイ。おまたせしました。ご注文はお決まりでしょうか?」


 「はい。ミックスフライ定食2人前お願いします」


 「ミックスフライ定食2人前ですね。ご注文は以上でよろしいでしょうか」


 「はい」


 「しつれいします」


 「ドキドキしてきたわ」


 「大丈夫。計画いい線いってると思うよ」


 「ミックスフライ定食お持ちしました」


 「「はやっ?!」」


 「冷める前に注文が入るので、沢山作ってるんですよ。でも、熱々ですから気をつけてください」


 「は、はい」


 メンチコロッケにクリームコロッケ、じゃがいもの素揚げが3つ、キャベツに味噌汁。


 「さぁ!食べましょ!」


 「「いただきます」」


 ソースを揚げ物とキャベツにかけて、ぱくり。


 「あつ?!」


 でも、美味しい!じわじわジューシーなメンチコロッケ!


 パクパク!パクパク!


 「てんいんさーん」


 あら?宣孝のぶたか君どうしたの。


 「ハーイ。注文でしょうか?」


 「いえ。メニューにじゃがいもの素揚げおかわり自由とあったのですが、じゃがいもの素揚げだけ食べ終えたらおかわりできるのでしょうか?」


 「そうですね。でも、慣れた方はお出しして直ぐにおかわりを入れますよ」


 「そうなんですか?式部さん。どうする?」


 「えーと、二人分お願いできます?」


 「はい。おかわり二人前ですね。直ぐお持ちします」


 「先走ってごめんね。でも、じゃがいもの素揚げ食べた感じ、ごはんのおかずになりそうになかったから、おかず全部食べてからおかわりすると悲惨なことになると思って」


 「ナイスよ。確かにじゃがいもの素揚げでごはんは辛いわ」


 「お待ちしました」


 「「多っ?!」」


 ごとりと置かれたどんぶりに20個のじゃがいもの素揚げが山盛りに入っている。


 「大丈夫ですよ。みなさんこれくらい食べますから。あ!どんぶり分けた方が良かったですか?」


 「大丈夫よ」


 こ、これくらい食べられるわ!


 「そ、そうですか。では、しつれいします」


 「まずは、プレートのおかずを食べようか」


 「ええ。そうしましょ!」


 パクパク!パクパク!


 「カニクリームコロッケも濃厚でおいしいよ」


 「本当?」


 パク


 うーん!


 「美味しいわ!」


 パクパク!ズズズ


 パクパク!


 パクパク!ズズズ


 はぁー食べた食べ・・・まだ、どんぶりがあったわ!


 「あ、ごめん。先におかわり手をつけてた」


 「ええ。構わないわ。自分のペースで食べるのって重要だもの」


 パク 


 パク


 油ものってどうして急激に重くなるのかしら・・・。


 パク


 「式部さん。最後のひとつどうぞ」


 最後のひとつ!


 「いただくわ!」


 パク


 完食!食べたわーーーーー


 ◇ ◇ ◇ 宣孝視点


 「今日の店は、写真禁止でネットに細かい情報がなかったの」


 写真キライな店もあるしね。


 「いいんじゃないかな。たまには行ってからの楽しみでも」


 「計画が失敗するかもしれないけど許してね」


 ・・・成功したことってなかったよね?


 「全然大丈夫」


 「ありがと、この道を曲がったところ。この赤と白の屋根オーニングの店!洋食シマシマよ」


 カラーン


 店の中は活気があり、客層は男性客が多い。


 「いらっしゃいませ。何名さまでしょうか?」


 「2名」


 「こちらの席にどうぞ。こちらがメニューになります。注文が決まりましたらお呼びください」


 「式部さん。このミックスフライ定食かな?」


 「そう、それよ。推測でごめんね。私の計画を話すわ」


 ――――――――――

 ミックスフライ定食

  じゃがいもの素揚げおかわり自由770円

 ――――――――――

 (内訳)

  フライA90円

  フライB90円

  フライC90円

  ごはん60円

  きゃべつ30円

  汁もの30円

  調理料100円

  合計 

   490円

 ――――――――――


 「770円-490円=280円 フライCをじゃがいもの素揚げとして、おかわり3回だね」


 「そう、それでいきましょ!」


 「わかった。じゃ、頼むね。すみませーん」


 「ハーイ。おまたせしました。ご注文はお決まりでしょうか?」


 「はい。ミックスフライ定食2人前お願いします」


 「ミックスフライ定食2人前ですね。ご注文は以上でよろしいでしょうか」


 「はい」


 「しつれいします」


 「ドキドキしてきたわ」


 「大丈夫。計画いい線いってると思うよ」


 「ミックスフライ定食お持ちしました」


 「「はやっ?!」」


 は、はやすぎない?


 「冷める前に注文が入るので、沢山作ってるんですよ。でも、熱々ですから気をつけてください」


 な、なるほど。


 「は、はい」


 メンチコロッケにクリームコロッケ、じゃがいもの素揚げが3つ、キャベツに味噌汁。


 「さぁ!食べましょ!」


 「「いただきます」」


 ソースを揚げ物とキャベツにかけて・・・。


 「あつ?!」


 今、注意されたばかりだよね?!でも、そんなわんぱくな式部さんも可愛い!


 まずは、おかわりできるじゃがいもの素揚げをパクリ。そして・・・気づく。


 「てんいんさーん」


 「ハーイ。注文でしょうか?」


 「いえ。メニューにじゃがいもの素揚げおかわり自由とあったのですが、じゃがいもの素揚げだけ食べ終えたらおかわりできるのでしょうか?」


 「そうですね。でも、慣れた方はお出しして直ぐにおかわりを入れますよ」


 「そうなんですか?式部さん。どうする?」


 「えーと、二人分お願いできます?」


 「はい。おかわり二人前ですね。直ぐお持ちします」


 「先走ってごめんね。でも、じゃがいもの素揚げ食べた感じ、ごはんのおかずになりそうになかったから、おかず全部食べてからおかわりすると悲惨なことになると思って」


 「ナイスよ。確かにじゃがいもの素揚げでごはんは辛いわ」


 「お待ちしました」


 「「多っ?!」」


 ごとりと置かれたどんぶりに20個のじゃがいもの素揚げが山盛りに入っている。


 「大丈夫ですよ。みなさんこれくらい食べますから。あ!どんぶり分けた方が良かったですか?」


 「大丈夫よ」


 でへへへ。僕たち恋人だもんね!同じお皿のものでも平気だよ!


 「そ、そうですか。では、しつれいします」


 「まずは、プレートのおかずを食べようか」


 「ええ。そうしましょ!」


 パクパク!パクパク!


 カニクリームコロッケ好きなんだよなー。


 パク


 あ!当たり!式部さんと共感したい!


 「カニクリームコロッケも濃厚でおいしいよ」


 「本当?」


 パク


 輝く笑顔!いただきました!


 「美味しいわ!」


 パクパク!ズズズ


 パクパク!


 パクパク!ズズズ


 式部さんにこの数は辛いよね。僕が多めに食べてあげよ。


 パクパク!


 「あ、ごめん。先におかわり手をつけてた」


 「ええ。構わないわ。自分のペースで食べるのって重要だもの」


 パクパク!


 パクパク!


 パクパク!


 「式部さん。最後のひとつどうぞ」


 なんか共同作業みたいだ!


 「いただくわ!」


 パク


 リーンゴーン♪リーンゴーン♪


 僕の頭の中で、チャペルの鐘がなる。


 この後どうしたかって?真っ直ぐに帰りましたが何か?

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