第05話 うどん

 「宣孝のぶたか君。今日の店はすごいわよ!」


 「ど、どうすごいの?」


 「聞いて驚いて!ドンブリがおかわり自由なの!」


 「・・・え!どんぶりが?!」


 フフフ。いいリアクションよ!さすが参謀よ!


 「そうよ!すごいでしょ!そして、この店よ!お食事処香川!」


 「そば屋?」


 「さぁ!入るわよ」


 ガラガラ


 木とガラスでできた引き戸を開けて店に入る。


 「いらっしゃい。2名さんね。そっちの席にどうぞ」


 式部と宣孝は木の椅子をひいて席につく。


 「じゃー、私の計画を話すわね!」


 ――――――――――

 チャーハン定食770円

 ――――――――――

 (内訳)

  チャーハン=250円

  かけうどん=100円

  副菜30円

  汁もの30円

  調理料100円

  合計 

   510円

 ――――――――――


 「チャーハン定食についてくるかけうどんが食べ放題なのよ!」


 「770円-510円=260円 かけうどん3杯・・・うん。無理だね」


 「そんなことないわ!きっと付け合わせのかけうどんだもの!小どんぶりよ」


 「う、うん。わかった。じゃ、頼むね。すみませーん」


 「あいよ。どうぞ」


 「チャーハン定食2人前お願いします」


 「あいよ。チャーハン定食2ちょー!」


 あれから毎日トレーニングしてるところ見せてあげるわ!


 「わたし習ったトレーニング毎日してるよ。宣孝のぶたか君はやってる?」


 「えーと。そ、その、全然・・・」


 やっぱり!ちょっと太さが増してきてるもの!


 「ダメよ。せっかく習ったのにもったいない」


 「う、うん。明日からするね」


 「そうして、でないと誘い辛いから・・・」


 「絶対するよ!帰ったら直ぐするよ!」


 「はい。おまち!チャーハン定食2ちょー」


 「「・・・」」


 チャーハン大盛、味噌汁、かけうどん、おしんこ。


 デカイわ。わたしの顔くらいあるわ!チャーハンだけで!


 「びっくりだね・・・」


 「そ、そうね。さぁ!食べましょ!」


 「「いただきます」」


 パク


 美味しいわ!このチャーハンなら、いくらでも食べられるわ!


 ズズズ


 味噌汁もワカメが美味しい!


 パク、パク、パク


 「式部さん。かけうどんも食べて見て」


 チャーハンが美味しすぎて忘れてたわ。


 「ええ」


 チュルン


 美味しい!かけなのにコシが残っている本格的なうどんだわ!


 チュルン、チュルン、パクパク、ポリポリ、パク、パク・・・


 「うどんおかわり頼むけどどうする?」


 「ええ。わたしはまだ・・・直ぐに追いつくから」


 「僕はおかわり1回で限界だなー。1回でもいいよね?」


 「ええ。もちろんよ。戦略的撤退は必要よ」


 「おばちゃん。うどんおかわり1つ」


 「あいよ。かけいっちょー!」


 「うちのうどん美味いでしょ?」


 「はい。とっても美味しいです。店のたたずまいから、そば屋かと思ってました」


 「うちは8代続てるそば屋だよ。うどんはうちのバカ亭主の横好きで香川で3年修行してきたんだよ」


 「そ、そうなんですか」


 「はい。おまち、ゆっくり味わってね」


 「はい」


 本場で鍛えたうどんなのね!おかわりは無理そうだけど、式部家の人間として、お残しは絶対にしないわ!


 チュルン、チュルン


 次来た時は、必ずおかわりするんだから!


 「宣孝君。また来ようね」


 ◇ ◇ ◇ 宣孝君視点


 「宣孝のぶたか君。今日の店はすごいわよ!」


 「ど、どうすごいの?」


 「聞いて驚いて!ドンブリがおかわり自由なの!」


 「・・・え!どんぶりが?!」


 手を開いて、目を大きく開いて、アメリカン人ばりのリアクションをとる。


 「そうよ!すごいでしょ!そして、この店よ!お食事処香川!」


 満足いただきました!


 「そば屋?」


 「さぁ!入るわよ」


 ガラガラ


 木とガラスでできた引き戸を開けて店に入る。


 「いらっしゃい。2名さんね。そっちの席にどうぞ」


 式部と宣孝は木の椅子をひいて席につく。


 「じゃー、私の計画を話すわね!」


 ――――――――――

 チャーハン定食770円

 ――――――――――

 (内訳)

  チャーハン=250円

  かけうどん=100円

  副菜30円

  汁もの30円

  調理料100円

  合計 

   510円

 ――――――――――


 「チャーハン定食についてくるかけうどんが食べ放題なのよ!」


 どんぶりって言うからご飯ものかと思ったよ。


 「770円-510円=260円 かけうどん3杯・・・うん。無理だね」


 「そんなことないわ!きっと付け合わせのかけうどんだもの!小どんぶりよ」


 「う、うん。わかった。じゃ、頼むね。すみませーん」


 そもそも、この店おかしいよね?そば屋でチャーハンって・・・。


 「あいよ。どうぞ」


 「チャーハン定食2人前お願いします」


 「あいよ。チャーハン定食2ちょー!」


 「わたし習ったトレーニング毎日してるよ。宣孝のぶたか君はやってる?」


 「えーと。そ、その、全然・・・」


 「ダメよ。せっかく習ったのにもったいない」


 そんなこと言われても、やる気がでなくて続かないよ。


 「う、うん。明日からするね」


 「そうして、でないと誘い辛いから・・・」


 え?え?え?それって、別れるってこと?!


 「絶対するよ!帰ったら直ぐするよ!」


 「はい。おまち!チャーハン定食2ちょー」


 「「・・・」」


 チャーハン大盛、味噌汁、かけうどん、おしんこ。


 いろいろおかしいよ!チャーハンのサイズもそうだけど、チャーハンの汁物には、ふつう中華スープじゃない?いやいやかけうどんあるなら汁物いらないし、おしんこは、なんでこのメンツに入ったの?!


 「びっくりだね・・・」


 「そ、そうね。さぁ!食べましょ!」


 「「いただきます」」


 パク


 うまっ?!ぱらっぱらっの本格的なチャーハンなんだけど?!


 チュルン


 うまっ?!そば屋だよね?このコシ普通じゃないよ!


 パク、チュルン、パク


 「式部さん。かけうどんも食べて見て」


 「ええ」


 チュルン


 式部さんの顔の笑みが増す。


 いいな!この同じもの食べて通じ合える感じ!


 チュルン、チュルン、パクパク、ポリポリ、パク、パク・・・


 「うどんおかわり頼むけどどうする?」


 「ええ。わたしはまだ・・・直ぐに追いつくから」


 式部さんは限界のようだ、僕も合わせよう。


 「僕はおかわり1回で限界だなー。1回でもいいよね?」


 「ええ。もちろんよ。戦略的撤退は必要よ」


 「おばちゃん。うどんおかわり1つ」


 「あいよ。かけいっちょー!」


 「うちのうどん美味いでしょ?」


 「はい。とっても美味しいです。店のたたずまいから、そば屋かと思ってました」


 「うちは8代続てるそば屋だよ。うどんはうちのバカ亭主の横好きで香川で3年修行してきたんだよ」


 そば打てよ!バカ亭主!うどんめっちゃうまいけども!


 「そ、そうなんですか」


 ・・・まぁ、家族だからバカなんて言えるんだろうな。僕も式部さんとそんな関係になれたらいいな。


 「はい。おまち、ゆっくり味わってね」


 「はい」


 チュルン、チュルン


 「宣孝君。また来ようね」


 「うん」


 食べ物屋もいいけど、いっしょに遊園地とか映画とか行きたいかな・・・。その前に式部さんに見限られないようにしなくちゃ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る