第3話
「ただいま。」
黒髪の青年が扉を開けて玄関に入った。
「あの、ここは…。」
「独立組織『箱庭』の事務所です。」
黒髪の青年に続いて翔馬、
「おっかえり~!」
桃色の髪の少年(?)が黒髪の青年の前まで出迎えた。
ベージュのセーターに黒いズボン、右手首には赤いリボンが結ばれている。
「働きアリ君!」
少年(?)は首を傾げた。
「お隣にいるのはだーれ~?」
「新たに見つけたボイスラーだ。」
少年(?)と話していると黒髪の青年の敬語が外れた。
「ふ~ん。ボクは、
「は、はぁ~。」
甘崎はウインクをして再び目線を黒髪の青年に戻した。
「それでボクにどうしろと?さっき電話してきたのはボクに仕事があったんでしょ。」
「コイツの例外を調べて欲しいんだよ。」
神々里が会話に加わった。
「あ、神々里いたんだ。背ーたっかい子で見えなかった!」
「お前と対して身長変わんないんだけど。」
「ボクは別に背低いのコンプレックスじゃないからいいの!
で、神々里の言う通りこの子の例外を調べたらいいんだよね。」
「ああ。頼むぞ。」
黒髪の青年は黒のジャケットを脱いで、玄関の近くにある部屋に入った。
「ん、じゃあ宜しく。」
神々里はそのまま真っ直ぐ行き、先程まで甘崎が居た部屋に入った。
覗き込むとリビングの様な造りになっている。
「全く、用が済んだらいなくなる此方の身にもなって欲しいよね。
さてと、
黒髪の青年が入っていった部屋の前にある地下へ続く階段に呼び掛けた。
「…なんだい?疲れているんだ。眠らせてくれ…。」
ゆっくりと一月という青年が上ってきた。所々紺色が混ざっている青髪で目の下には隈が出来ている。目は少ししか開いておらず、今すぐ眠りそうだ。
「眠るのも良いけど、わんこの例外を調べ終わってからね!そしたら好きなだけ眠らせてあげるから!」
(わ、わんこ?)
「何で僕が…。」
「お願い!歩がいないから一月だけが頼り何なんだ~!」
甘崎が顔の前で手を合わせて頼み込む。
「はぁ~…。分かったから30分眠らせてくれ。」
と言って甘崎の返事も待たず、階段を降りていった。
「仕方ないなぁ。ま、ボクも寝不足の子を寝かせない程鬼じゃないからね!
だからボクが特別にテレパシーボイスに教えてあげる♪着いてきて!」
甘崎はピョンピョンとジャンプをしながら神々里が入っていったリビングらしき部屋に入った。
テーブルを中心にソファーが3つ置かれている。その正面にはテレビがあるという見た目は少し広いだけで一般的なリビングのようだ。
「さ、テキトーにそこら辺座って。」
3つある内の1つが埋まっていて、白髪の青年が寝息を立てている。
「失礼しまーす。」
翔馬はおそるおそるそのソファーに腰を下ろした。
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