ワールドパート4:魔術師と異端の魔女
・魔術師
先述した通り、システムの枠を外れたこの世界の住民です。なぜこのようなことが起きるかは分かっていませんが、住民を再生産する際に微量の星喰いの因子が混ざってしまうことで起きるとも言われています。
魔術師はこの世界の真理に迫るために魔女、並びにその付き人である落とし子に接近しようとしています。世界の理に触れた結果魔女が操るものに匹敵するような奇跡を扱えるようになり、その力は戦いの舞台にまで及びます。
女神としては当然システムのエラーは取り除かねばならないため、魔女たちに魔女集会、魔女狩りを通じて彼らを討伐するよう命じます。その際魔術師視点では魔女集会に参加するためのお告げを得て、嬉々して向かったところ魔女たちにやられて魔女たちに討伐された、という感じになります。
この階層の住民が魔女たちを忌避するのはこれも一つの原因です。世界の仕組みに触れて魔女とお近づきになると二度と帰ってこれないと思われているのです。
・異端の魔女(マターナルウィッチ)
歪みによってシステムの枠を外れて落とし子を愛し、彼らと同じ時間を生き、彼らと同じ魂を持ち、彼らと同じ自由な愛を得ることを望む魔女です。
魔女は魂の輝きを極微量しか持たないためにシステムの枠を外れた行いも、落とし子と同じ寿命、同じ階層を生きることも叶いません。ならばその枷を外れるためにどうしたらよいのか。魂の輝きを得れば良いのです。
しかしこの階層は特殊な経緯で人工的に生み出された階層であるために、魂の輝きを持つ人間がほぼいません。ですが例外はいます。他の階層から連れてこられる、落とし子です。
異端の魔女は他の魔女が育てる落とし子の魂を喰らい、自身のものとするために戦います。彼らに魂を喰われた落とし子は自身が魔女となり、元の階層に戻り人としての一生を送ることは叶わなくなってしまいます。それでも自分が愛する子のために、異端の魔女は戦いに挑むのです。
異端の魔女が相手の魔女集会並びに魔女狩りでは、集会にやって来た魔女の内誰が異端の魔女か最初はわかりません。ですが会話をしていくうちに、誰が異端かは正常な育ての魔女であればすぐに看破できます。看破した時点で育ての魔女たちは異端の魔女を「あなたがそうである」と告発し、変身して魔女狩りを開始します。これを「異端認定」と呼びます。そうして、今度は原義通りの「魔女狩り」が開始されるのです。
異端の魔女が魔女狩りに敗北した場合、魔女はその場で消失します。その後記憶を消去したのち、魂の輝きのエッセンスを再利用して新たな落とし子が現れた際の魔女として再配置されます。
また異端の魔女の落とし子は、歪みによってすでにステラナイトへの適性を失っているため女神からしてみたら利用価値がありません。その魂の輝きのエッセンスのみが抽出され、魔女として再利用されます。
☆異端の魔女に対する女神の認識
女神は、この異端の魔女の存在を実は容認しています。何故なら、彼らが勝利したらきちんと魂の輝きを持ったステラナイトが一組誕生するからです。
そもそもこの階層は魂の輝きを持つ落とし子をちゃんと育成して他の階層へと帰し、将来のステラナイト候補を育成するための場所です。勿論育ての魔女たちがうまく機能すればその目的は達成されるのですが、たとえ異端の魔女が魂を得たとしてもその目的は達成されます(その過程で落とし子は犠牲になるかもしれませんが、可能性一つを犠牲に即戦力が手に入るなら安いものでしょう)。
歪みについても、本人の持つ魔女の教えを勲章として用いることによって消去して送り出されます(オルトリヴートの歪みへの抵抗ルール参照)。しかし消去してもらえる歪みは1だけ、しかも今まで蓄積した魔女の教えを喪うことによって、落とし子は異端の魔女に関する記憶を失います。
それでもいいと、そうであってもこの愛を全うしたいと願う者が、異端へと堕ちるのです。
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