あたしって、罪な女だな。ふふん。
また、あの
目が覚めてしまった。
こうなると。目覚ましアラームの騒音の方が
よっぽど良心的だ。
と、
「ふにゃ? たまねえ? どこにゃの?」
彼の右腕を。抱き枕として
事実は週刊誌よりも
……
あたしのセクシーな感触を感じなくなって。
「しゅいぶんの準備しとくね。ふわああ。ねみゅい」
あたしの様子を察知して。水分補給の準備をしてくれる。
時刻は午前2時。
不吉の
時計なんか確認しなくても。分かってしまう。
それだけ
「ふぁい! ぬぽーつドリンク。冷やしておいたおー」
よく
寝ぼけているみか君は。ますます
けれども。
あたしの
気を使わせない為に。そうしているのだとしたら。
まつりんが。みか君に関わり続けている理由が。
何となく理解出来た。
もしくは。
単に、お姉さんの色気にやられてるのを。ごまかしてるかも?
そうかそうか。必死に色欲と戦っているのか。
あたしって、罪な女だな。ふふん。
「……
こ、こやつ!?
あたしがエッチな夢の中にいると。勘違いしてる!?
にやついた顔がそんな風になるの!? 違うし!?
受け取ったスポーツドリンクを。
これ見よがしに、
「あっ! それ自分の飲みかけだった! 間接キス……だね。もじもじ」
「ぶぶーっ!?」
みか君の顔に。思わず吹きかけてしまった。
「
ひどいのは、みか君でしょ!?
あたしは間接キスなんて。気にしない。
ただ、あえて指摘されると。
は、恥ずかしいじゃん。
「ま、まもりたい、その笑顔!?……くそ! 左腕がこんな調子だと。むぎゅーも出来ないよ!」
首から包帯を下げ。日常生活において。右手しか使えない状態。
彼もまた。この高級ホテルみたいな病室で、入院中なのだ。
でも。
ま、まつりんには。
ただ。一ヶ月も同じ部屋で入院となると。
距離感が色々とおかしい事になってるのも。
事実である。
もはや、
とにかく、そんな感じだ。
あたしは、みか君の補助要員であり。
言わば、左腕の
対して、みか君は――
「表情と視線で
声を失った。
あたしの通訳。
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