第44話 食後のヨガでもしてろよ!?

「えへへへ💓 お寿司は、しばらく封印です」

「満足してもらえて良かったわ。祀理まつりさんの食べっぷりを見ているだけで、私も満腹まんぷくよ」

「それだけ食べれば十分だろうさ。この調子なのに、どうして太らないんだ?」


 率直な疑問を口にする。


 じろりとにらむ、まつりちゃん。


 あからさまに。不機嫌になった。


「どういう意味かな? 太ってる事を暗に、ほのめかしてるの?」

「どこが太ってるのかな? そのままの意味なのに。疑心暗鬼ぎしんあんき、お疲れちゃん!」


 素直に言葉の意味をとらえないとは。


 食いしん坊のまつりちゃんめ!


「おかしいな? 肉じゃがの感想は素直だったのに。同一人物? 影武者かな?」

「はうっ!? あ、あれは、だ、だまし討ちだもん!? ちゃんと一騎討ちしないと駄目なんだから!?」


 どこの武士なの!? 


 果たし状をもらった覚えは無いからね!?


「ミーカード! アンタ、イイカゲンニシナサイヨ!」

「……後はお若い二人で、ガールズトークでもしてろ。かまってられるか」

「な、何それ!? 急に興味が失せたの!? あれだけ、からかっておいて!?」


 おや? まつりちゃん?


 もっと、いじられたかったのかな? ぐへへへ!






「明日の見守り活動ですけど。午後3時頃から開始です。現地の小学校の校門前付近に集合してくださいね」

「ええ。了解したわ」


 明日のボランティア活動ね。ご苦労な事で。


 おっと、彼女達の盗み聞きは止めておこう。


 自分が住んでいる町の地図を広げる。


 ハザードマップ機能付きだが。


 今は関係無し。


 小学校は、今は厳重警戒中。


 事件現場、その他の公園も同様。


 となると、手薄な場所。


を探すとなると。


「……他の小学校は、人通りは十分。大きな国道もあるし」


 そもそも、事件現場の公園が特殊だったのか。


 閉鎖空間みたいに。


御門みかど?」


 今まで、小学生が標的。たまたま? 


 いや、狩りとして考えるなら――獲物もレベルアップしないと。満足しないか。


 最初の被害者は、低学年。次は高学年。年齢にバラつきがある。


 今度は、中学生あたり? それとも、また小学生?


「ねえ、御門みかど!」

「なんなのおおお!? 人が思考中にさ!? 食後のヨガでもしてろよ!?」


 タイミングが最悪な女だよ! 


 これだから、悪女なんだよ!


 セクシーたかさき!


「静かで不気味ね。それに、? 参考までに聞いてあげるわよ?」

「それよりも、明日の準備でもしてろ。小学生の相手だぜ? 想定問答でも考えておけよ」


 事件の話題になると。


 生き生きとしやがって。


 赤ワインでも飲んでろ!


御門みかど君より、対処に困らないもん!」

「どうだか。質問攻めにされると思うけど。子供は好奇心旺盛こうきしんおうせいだからね」


 俺よりもデリカシーの無いセクハラ発言されるだろうな。


 しかも、子供だから無罪放免。


「例えば、彼氏はいますか? とか。胸のサイズやら好きな男性のタイプやら。大変だね、明日は」

「その程度は、お茶の子さいさいだね。御門みかど君、私は大人だよ?」


 自信満々に答える。本人はこの調子だが。


 基本、ぽんこつ要素要素も持ち合わせてるからな。


「たかさき君? 君も子供相手にメデューサにならないでくれよ? トラウマ案件だからね。ぷぷぷぷ」

「私だって、子供相手にムキにならないわよ。……オノゾミノ、ヨガノジカンヨ!」


 大嘘じゃねーか!? 信じられるか!? ぎゃああんん!?

 


 



 

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