第24話 勘弁してよお!? 祀理ちゃん!?

「昨日の『俺の精神力がエトセトラ(※カクヨムにて連載中)』見た?」

「クリスティーナが、相変わらず、もっちりしてた! お疲れちゃんだった!」

「メイドのリナさんが、真っ黒かった!」


 祀理まつりの出勤に付き合うと。


 子供達が集団登校していた。


 口々に、アニメの感想を言い合っている。


 俺も、会話にざって来るかな? 


 ハーフエルフメイド、最高だぜ! 


 メイドのカナたん。むぎゅー! してよお!


「これも、事件の影響だよね。防犯ボランティアも増えてる。私も、もしかしたら、協力する事になるかも?」

「見守り活動かい? 放課後とかに、街に立って生徒を監視する。ふーん」


 朝よりも、犯行があった夕方近くが危険だからな。


 下校注意。全くやらないよりは、マシだろう。


「ふーんとは何? 不服なのかな?」

「見守り活動している祀理まつりを見守るかな! 健気けなげな様子が、たまんねえ、ぐへへへ!」


 『寄り道せず、帰りましょう!』『はい、さようなら! またね!』勝手に想像しちゃうもん!


「……通報していいかな?……そもそも、私に対する扱いが恐怖だよ!?」

「高校時代の同級生のよしみだろ? 大目に見てよお!」


 心底、嫌な顔をするなよ。


 こ、これはこれで、ご褒美かも!?


「あのね、御門みかど君。これでも、君に対して十分過ぎる程、寛容だと思うよ? 自画自賛じがじさん出来ちゃうね!」

「うん、知ってる。だから、俺に関わるなって言ってるだろう? 他にも君の助けを求めている人が居るのだから。いつでも、俺の担当からはずれてもいいぞ?」


 祀理まつりの顔が。


 ぷくーっとふくらんだ。ハリセンボン!?


「絶対、嫌! 一度受け持った人は、投げ出さないもん! 傷つく事、言わないでね!」

「……はあ。祀理まつりの事を思って、提案しているのにさ」


 わざわざ、厄介者の担当などしなければ良いのに。


 俺に対する扱い方も、強引だよ。





「じゃあね、御門みかど君。お昼過ぎぐらいに、君のアパートに様子を見に行くからね? 外回りのついでに」

「ええー? 来るなよ! ゴロゴロしながら、アニメとか動画を楽しむ予定だから。邪魔しないでよ」


 アニメは一人で視聴したい。


 お風呂回、お色気シーンの時に。


 祀理まつりの相手なんか出来る訳ないだろ! 


 いい加減にしろ! き、気まずいだろうが!? 何の罰ゲーム!?


「確実に行くからね。うん、強制査察きょうせいささつだから!」

「……どうして、そんなに笑顔なの!? 勘弁してよお!? 祀理まつりちゃん!?」


 俺の問いかけを無視するように。


 祀理まつりは職場に向かったのである。


「……さてと、帰りたくないけど、帰るかな。憂鬱ゆううつだよ」


 妖怪、化物、怪獣が出没する自宅に帰りたくない。


 もはや、事故物件だろ!?

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る