第20話 ちょ、ちょっと!? 居座る気なの!?
「ここが
「それって、塩?」
お弁当用のトッピング?『から
「
「清め塩の代用? お葬式の帰りに渡される? あの?」
どうやら、私の部屋に入る前に。
気を使っているのか。
変な所で
「精神衛生上の意味合いが強いけどな。ほら、
「ど、どうも。……君は、本当に難解だね?
渡された塩を私自身に振りかける。こんな感じかな?
「はい、それじゃあ、私の部屋に入れてあげるけど……用が済んだら、帰ってよ?」
「……ふーん。きょろきょろ。うわ、まつりちゃんの匂いがする!」
「どんな匂いなの!? そもそも、私の体臭を認識するほど
予想以上のコメントだよ!?
平然と言うセリフでもないからね!?
「さてと、テレビをつけて。
「ちょ、ちょっと!?
思わず言動が荒くなる。
と、泊まる気か!? こいつ!?
私を異性だと思ってないのか!?
「……さっそく、ニュースで取り上げているか」
『……遺体が発見された公園は、以前にも女子児童の遺体が発見されており、警察は連続殺人事件の可能性を視野に、捜査を続けるとのことです』
テレビアナウンサーが現場から生中継をしている。
今更ながら。
あの公園で、事件があった事を再認識させられた。
現実感が無いけど。
『また、被害者のご家族からコメントが発表されました。読み上げます』
……気が重くなってきたな。
私はニュースの内容をあえて聞き流した。
『何かの間違いであってくれたらと何度も思いました。不謹慎な事ですが、被害にあったのは、自分の娘ではなく、他人の子供だろうと。あの公園には近づかないように常日頃から、注意をしていましたし。なぜ、娘があの公園で殺されなければ――』
あれ?
目的のトイレに行ったのかな?
「……やっと出て来た。君は人の家のお手洗いで何を――」
私は、馬鹿だ。
少し考えれば。
分かった事だ。
あの公園で、彼が何を目撃したのかを。
そして、なぜ。
私に
「だ、大丈夫!?
よろよろとその場で倒れ込んだ。
と、とりあえず、楽な姿勢に。
布団も用意しないと。
「……ただ、疲れただけだよ。死者に
おそらく、被害者の死体の様子を思い出したのだろう。
むしろ、今までよく耐えていたと思う。
「何で言わないのかな? 体調悪い事をさ」
「……別に。言ったら治るのかい? それよりも市販の薬が欲しい」
そ、そうだった。
文句を言う前に、薬でも飲ませなければ。
胃腸薬があったはず。
「あった! あと、お水だね!」
「……いやはや、最近の部屋着は可愛いな。女子高校生にも見えるぞ、
気分が悪いのによくもまあ。
軽口を言えるね。
普段からこの調子だから。
彼の変化を見逃してしまったのだ。
「……はい、どうぞ。飲める?」
「ありがたや、ありがたや。不老長寿の薬じゃ! 誰にも渡さんぞい!」
君は、昔話のお爺さんか!?
「……この調子じゃあ、今日は帰れないよね? しょうがない、人道的な観点から泊めてあげるよ?」
「わーい!『今日は家に両親がいない日なんだ』イベント発生!
そもそも一人暮らしだから!?
やっぱり、強制的に帰らせれば良かったかも!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます