第17話 さつきちゃんを私が取り調べしているみたい!?

「本当に、何も目撃してませんの? 隠し事は、貴女の為にはなりませんよ?」

「うーん。事件現場の公園には、被害者の女の子に祈りをささげに行っただけだからね。正直、御門みかど君が遺体を発見するなんて。寝耳ねみみに水だよ?」


 さつきちゃんから取り調べを受けている。


 そして、なぜか怪訝けげんそうに視線を送って来ます。


 あれ? 疑われてるのかな?


「あの御門みかどと言う人物。無職らしいですわね。ますます、怪しい!」

「無職だからと言って、犯罪者では無いからね? 決めつけは、良くないよ? さつきちゃん?」


 優しく注意をします。


 職業に就いてるとか、就いていないで。


 犯人扱いは、いけません。


 客観的な証拠と証言が何よりも大事!


「わ、分かっていますわ。嫌な質問で揺さぶり作戦です!……あの男をかばう関係が判明っと」

「さつきちゃん? ちゃんと聴取して? 赤城警部に報告するよ?」


 だんさんの事を持ち出すのは、心苦しいけど。


 さつきちゃんのやる気が。空回りしているから。


「ひ、卑怯ですわ!? わ、わたくしの上司としての威厳を人質に!?」

「ごめん、ごめん。警察は疑うのが仕事だもんね。でも、本当に事件に関する有益な情報は持ってないよ? 怪しい人物とか目撃してないし」


 思い返してみても。


 道中に特に怪しい人物は特に。


 さつきちゃんが期待する証言は無いの。


 ごめんなさい。


「……そうですの。困りましたわね。新たな犠牲者が出てしまったのに。解決の糸口が見つからないなんて」

「ほら!? まだ捜査は始まったばかりだから!? きっと、何か犯人の手がかりが!? 気落ちしないで!?」


 うん。基本的に、さつきちゃんも悪い人物では無い。


 人を見る目だけは。


 他人よりも優れてると自負じふしていますから。


「あら? お優しいのですね。小宮こみやさんは。この様な方は、警察をあざむく訳ありません。ええ、最初から分かっていましたわ」

「そう!? それなら安心だね!?」


 さつきちゃんの謎の取り調べ? もようやく終了。


 御門みかど君は、どんな感じだろうか?


 不規則発言で困らせていないよね?


「今日の所は、帰宅して結構です。ただし『この町から出るな!』って奴ですわね! 海外ドラマ風に言えば」

「……あははは。海外ドラマ好きなんだ!?」


 これは、もう少しだけ時間を取られそうな予感。


 何だか、さつきちゃんを私が取り調べしているみたい!? 


 立場逆転してないかな!?

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