ニート呪詛使いと関わりたくない彼女達！？

第15話 何でも喋るから！？ 署に連行してよお！？

「ぎょええ！？　痛い！？　いたいよお！？　うん？　柔らかい？　ぎやああ！？　いたいい！？」

「正直に話しなさい！　この鬼畜！　腕をひねり上げて差し上げますわ！」

　私が団（だん）さんに。

　御門（みかど）君との健全な関係を説明していた。

　そうしたら、いきなり。

　御門（みかど）君が悲鳴を上げた。

「なんなの！？　この武家娘！？　赤城のおっさん！？　どうにかしてよお！？」

「わたくしは、赤城警部の上司です！　野獣に人権は、あ！　り！　ま！　せ！　ん！」

「こ、こら！？　御門（みかど）君に密着しない！？　セクハラを受けるよ！？」

「おい、さつき！？　まだ、容疑者でもねーのによ！？　先走るな！？」

　さつきと呼ばれる女性警官が。

　御門（みかど）君に逮捕術を仕掛けている。

「容疑者にだってこの仕打ちは、禁止だろ！？　警察の横暴だ！　報道機関の方々、カメラで撮影してえ！？」

「まだ、減らず口を？　なかなか、しぶといですわね！」

「待て待て！？　やり過ぎだ！？……こんな事、上司にあるまじき行為だぜ？」

　急に、女性警官の動きが止まった。

　御門（みかど）君、大丈夫かな？

「全く、いきなり何なのさ！　善良な一般市民だぞ！　胸の感触は、けしからんし！」

「……も、申し訳ありませんわ。わたくし、署長の月夜野（つきよの）さつきですわ」

　しょ、署長さんなの！？　随分と若い人だね！？

　私とそんなに年齢も変わらないぐらいかな！？

「あの噂の姫署長？　どうなってんだよ！？　いかれた警察署だな！？　妖怪あばずれたかさき君も、住み着いているし！」

「さつきが迷惑をかけたな。これでも、上司としての働きはちゃんとこなしているぜ？」

　団（だん）さんが、すかさずフォローする。

　信頼している仲なのかな？

「誰が、妖怪あばずれよ！　みーかーどおお！！」

「お、おかしいな！？　化物の声がするな！？　ひえええ！？　たかさき君！？　なんで！？」

「咲嬢（さきじょう）か？　ここに向かう途中で拾ったぜ？　流石に、現場の中までは通さねえが」

　公園の規制された出入り口に仁王立ち。

　しかも、両腕を組んでいる咲さん。

　わ、私でも怖いよ！？

「猫拾っちゃった💓　みたいなノリで、たかさき君を拾うな！？　いやーい！　良かったじゃないか！　夜食のダイエット出来てさ！　で？　マラソン大会の順位は？　あははは！　ざまあ！」

「ぐがあああ！！　みか怒（ど）おお！！　ぶっ殺すわ！！」

「な、なんだ！？　多華（たか）弁護士が暴れてるぞ！？」

「きっと、また悲惨な事件が発生したからだろう！？　犯人に対する憤（いきどお）り！？　どうどう、咲弁護士！？」

　周囲の警察官に、なだめられている咲さん。

　普段はクールビューティな咲さんを。

　私は知っているよ！？

「ここは安全じゃないな！？　さつきちゃん！？　何でも喋（しゃべ）るから！？　署に連行してよお！？」

「急にどうしたのですか？　なるほど、押して駄目なら引いてみろ作戦ですわね！　赤城警部！」

「あん？　まあ、そんな所だな。警察署で事情聴取するか……。祀理（まつり）ちゃんも悪いが来てもらうぜ？　形式的な聴取だ。すぐ終わる」

「分かりました。あの、咲さんも、さっきまで一緒に居ましたけど」

　団（だん）さんの大きな目が見開いた。

　とても驚いている。

「御門坊（みかどぼう）？　咲嬢（さきじょう）に遺体を見せない様に、遠ざけたのか？　だから、通報者がお前だと知った時の咲嬢（さきじょう）が……うろたえた訳だ」

「たかさき君とは別のパトカーで！？　一緒は嫌だからな！？　祀理（まつり）と一緒が良い！？」