第14話 彼女が死体を発見したら、憑りつかれそうだからね。

「おい、発見したぞ!」

「公園の出入り口を封鎖しろ! それとブルーシートで現場をおおえ!」


 騒がしくなってきたか。


 そろそろ野次馬やメディア関係が駆けつけるだろうな。


「どうやら、遺体を発見出来たみたいだね。お疲れちゃん!」

「い、遺体!? って死体の事だよね!? み、御門みかど君が発見したの!?」


 かなり、うろたえている。


 そりゃそうだ。何も言ってないからな。


「まあね。この事態を全く想定してなかった訳ではないけど。確率は低いと思ってたさ。好き好んで、死体を発見する奴はいないだろう?」

「……だから、咲さんと私に対して『献花台だけに行け』って忠告してたの?」


 命令はシンプルが一番効果的だからね。


 さらに、命令内容について。


 あれこれ考える隙を与えない事も重要。


「問題は、あのたかさき君さ。絶対『周辺を探索たんさくしましょう。何か見落としがあるかもしれないわ!』なんて言い出すからね。良かったよ、早めに警察に通報出来て。案の定サイレンに釣られて。今頃、マラソン大会にでも参加してるんじゃないかな?」

「素直じゃないなあ。でも、咲さんなら死体を発見しても動じないと思うけど? わ、私は無理だからね!? 絶対!? 御門みかど君のお陰で、助かったよ。ありがとね?」


 ふむ。この状況で、お礼を言えるとはね。


 少しは見直したよ、祀理まつり


「たかさき君ねえ。彼女が死体を発見したら、りつかれそうだからね。色々と」






「やべえ、またこの公園で事件発生www」

「テレビ局も来てるの? 映ってるかな? いえーい!」


 予想通り、野次馬が集まってきたか。


 君達は気楽でいいな。


 これから俺は、事情聴取だろうな。めんどくさい。


祀理まつりは帰ってもいいぞ?……無関係だから」

「今更? 間接的に関わっているじゃない? それに、御門みかど君は私の担当だからね。一緒に居るよ?」


 お人好しなのか。


 それとも、真面目な性格なのか。


 とにかく、こんな事件に関わらせるべきじゃなかったな。


「あーあ。全ては、たかさき君の責任だよ。今度、絶対、焼肉喰いまくってやる!」

「おい、御門坊みかどぼう! お前、まさか、犯人じゃないよな?」


 ようやく来たか。


 待ちくたびれたぜ。赤城警部。


「第一声がそれかい? ひどい扱いだな」

だんさん? お久ぶりですね!」

「ああん? こっちの嬢ちゃんは……祀理まつりちゃんか? 久しく見ない間に、綺麗になったな! お前達まさか、付き合って――」


 赤城警部の勘違いは、訂正しないでおこう。


 祀理まつりの社会人としての対応力を鍛える為さ。


 決して、祀理まつりをからかう訳じゃないんだからね!


「……貴方が、第一発見者ですの?」


 むむ? 誰だ、このお嬢様? 赤城警部の部下? 


 黒髪ロングに。ふくよかな胸をしてるな。

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