じいちゃんの言葉

音澤 煙管

いつも話すと笑って居たじいちゃん。





"何もしなくてもこの星たちは、何時も輝く事を忘れないのに、それに比べて人は愚かだ。

輝けるとしても周りを夜にしようとせず、

輝くことを忘れているんじゃ。"



"明日の方向ってわかるか?

明日は前にしか無い。

目は前に付いてるだろ?

前しか見えない様になっているんじゃ。

前を歩いて進むだけじゃ!"



"ごはんは一粒も残してはダメだ。

その一粒のために一年費やした田んぼの全てが入っているんだ、ご飯はその集まりじゃ。"



"仏壇や神社に手を合わせるのは何故だか

わかるか?神さま仏様に、今日も元気で幸せです、明日もきっと幸せに生きます!

って、その報告のためじゃ。

手にシワがあるだろ?

シワとシワを合わせてシワ合わせ、

幸せですってことじゃあーはははっ"



"人間はなぜ失敗すると思う?

それはな、失敗しないと身につかないからじゃよ。ずぅーっと成功していたら、失敗が練習にもならないし、賢くならんのじゃ。"



"自分は何のために生まれたと思う?

親に愛情を貰ったからそのお返しに生きるためじゃ。だから、何が何でも親より先に死んではいけんのじゃ。"



"空は、なぜ青いと思う?

それはな、神さまが青い絵の具しか持っていなかったのじゃ、それと白じゃ。

他の色はみんな悪魔が持ってったんじゃ。

だから空には天国があるんじゃ。"



"なぜ地球は回ると思う?

回らないと風が吹かなくて、洗濯物が乾かなくなるし、泣いた子の涙も乾かないからじゃ。"



"なぜ、朝が来て夜になると思う?

それはな、お天道様とお月様が交代して空の見張りと、お前たちが悪さをしないか見るためじゃよ。"



"なぜ、海の水はしょっぱいと思う?

神さまが泣いた後だからじゃ。

今も、世界のどこかで誰かが悲しんでいるから一人ぼっちにならない様にと、一緒に泣いてる涙が集まって出来たのが海じゃ。"



"わしわ神じゃ!

しかし、お前も神じゃ。

何も出来ん事はないんじゃよ。"



"人間はな?一人では生きてはゆけない

弱い動物なんじゃ。

だから、助け合って生きてゆくんじゃ。

そしたら、動物も助けてやるんじゃよ。"




命のニュースを観る度に、

じいちゃんの声が聞こえてくる。


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