自家整備工場

 土曜日午前中は予定通り、自家用車カルディナのスターター、エンジン始動のセルモーターを取り換える作業をした。


 修理書の画像をスマホに転送したり、同系列の車の修理ブログを参照するなど段取りはしてあったものの、やはり一筋縄には行かなかった。


 どうしても上のボルト一つを外す方法がわからずに苦戦した。


 エンジンのカバーを外し、もう一つエキゾーストのカバーを外そうとしてみたが、これは本能的に触らなくても大丈夫だという気がしていたのでやめ、しばらくカミサンから急遽調達した小さな手鏡などを使って、ボルトの位置を確認したり、どうすればこれを回すことができるかなどを考えていた。


 考えたり覗いたりひたすら頭を使うこと数十分、ボルトの前にステーのような部品がついていたので、これを外したらどうだろう、ということになり、外してみたところ見事にボルトの頭にアクセスすることができ、その先はスムーズに作業ができた。


 しかし部品を取り外して見てみると、私の車は特別仕様車だったのだけれど、セルモーターが寒冷地仕様になっており、取り付けた物と品番が違っていた。若干始動電圧が高い物が付いていたのだ。


 早速ヤフオクの出品者に連絡すると、月曜日にコアを確認後連絡するとのこと。これは100%当方のミスであるので、どうなるかちょっとわからない。最悪、少しばかり料金を負担することになるかもしれないが、それは仕方ないと諦めている。とにかく、取り付けはできてよかった。


 明けて次の日曜日、愛車ランドクルーザーの燃料を入れに行こうと、スタンドで給油の際に使うEneKeyを探したところ見つからない。これはとても小さな物なので、置く場所を決めてはいるのだが、その場所にない。その他心当たりを探してみたもののなかったので、諦めてスタンドに紛失を申告し、ENEOSカードで給油することにした。


 EneKeyは紛失したのなら、新しい物を作ることで、今まで使っていた物は自動的に使えなくなるらしい。スタンドに申告すると、結構同じ状況になる人がいるようで、担当の若い男性社員が慣れた手つきで再交付をしてくれた。


 給油後スタンドから県道に出ようとする際、少しクラッチの接続に違和感を覚えたが、気にせず家に向かった。


 途中信号で停まると、やはりクラッチの様子がおかしい。自宅まであと信号5つというところで繋がらなくなり動けなくなってしまったが、冷静に何度か操作すると元に戻った。


 最後の最後、自宅のある袋小路にバックしようと頭を振ったところで、予想通りの万事休すになってしまった。クラッチがスカスカになり、ギアが入らなくなり、動けなくなってしまった。少し押してみたけれど、サンダルだったし、身体を壊しそうだったので諦めて、JAFを呼んだ。


 JAFは到着まで50分かかるという。ちょっと長かったが仕方なかった。しかし家までは100メートルくらいしかない所だったので、ダッシュしてブレーキフルードを取りに行き、補充して何度か操作をしたら、応急的にバックにギアを入れることができたので、ボンネットを開けたままで自宅前までバックし、何とかいつも作業をする場所に停めることができた。


 JAFをキャンセルし、それなりの雨の中、屋久島で漁師をしていた際に着ていたカッパを取り出し、作業にかかった。


 この症状には何度か見舞われているので、原因や修理方法はわかっている。クラッチの動力を伝えるレリーズシリンダーという部品の中にあるピストンの不具合が原因なので、この部品を取り換えればおそらく元通りになる。この部品はかなり重要なものなので、倉庫の中に2つ、在庫していた。


 最近ぼけっとしている事が多くなったような気がしていたが、やはりこうなるとアドレナリンが出ているようで、作業は雨が降っていようが何だろうが、それなりにはかどって何とか終えることができた。


 最後の最後、ブレーキフルードを入れ、エア抜きをする際に使う道具を探しに倉庫に行ったのだが、これが見つからない。毎年車検の整備の際に使うので、変なところに入れるはずはないのだが、見つからない。


 作業は無事に終わったのに、くそ、このやろう、などと一人暴言を吐きながら、とりあえず道具が出てこないので、エア抜きは適当に、一度作業を終わらせよう、なければMonotaROでもう一度買えばいいと諦めて、作業を終えた。


 作業を終え、道具を片付けるためにもう一度倉庫に行き、道具を片付けていると、これまた屋久島のとびうお漁船の上でいつも履いていた自称「漁師サンダル」の下に、何やらの物を発見。サンダルを手に取ってみると、探していた道具が見事、サンダルの下で見つかった。


 車の修理をしたり、物がいろいろとなくなったり、何だか大変な週末であったが、車は二台とも無事に修理完了し、なくなったと思っていたものも、何とかなった。


 夏も終わりなのか、今朝はとても涼しく、いつものTシャツと短パンでは寒かった。こうなると、ランドクルーザーの車検が来て、トラックのタイヤ交換があって、冬が近づいてくる。


 若い頃は多趣味で鳴らした私も、最近の休みは家でぼうっとしていることが多くなってしまった。その気になればそれなりにいろいろとできるじゃないか、なんて思ったりもしたが、これも電気自動車になってしまったら全く必要なくなってしまうスキルである。トヨタが水素自動車を普及させてくれれば大丈夫なのだが、これも難題が多く、電気になってしまいそうな気がしてならない。


 忙しかったけれど、秋の訪れと同時に少し寂しくなってしまった週末なのであった。





 

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