自家用車

 「エンジンをかけるとき、何か変な音がする。いつもじゃないけど、時々…」


 カミサンがこんな事を言う。


 家の車カルディナは平成15年に新車で買い、11万キロほど走行し、先だって何度目かの車検を取った。特に不具合はなく、しばらくは大丈夫だろうと思っていた矢先である。


 こっちの車はまだ新しいから、なんて思っていたのに、どんどんと自分が歳を取り、合わせて車も古くなっていってしまう。


 幸いにも、自分のポンコツ車で、車の何たるかを勉強することができているので、今回の不具合の予兆も見当がついた。


 車は10万キロを超えると、いろいろと不具合が発生する確率が高くなってくる。わかっていればそうでもないのだが、突然壊れて、見積もりを取ると5万円とか10万円とか言われるのだろうから、日本人は車検もあるし、この時点で所有を諦めてしまう人が多いのだろう。


 今回は、エンジンを始動するセルモーター、スターター、という部品の劣化が原因だ。耐用年数は10万キロと何かで読んだことがある。


 早速ヤフオクで再調整品、リビルト部品を手配し、先日手元に届いた。しかし、このような再調整品、リビルトと呼ばれる部品は、本体、コアを返却しなければならない。


 今の私は週末にしか作業ができないので、チャンスは今週末と来週末である。予報は雨とか曇りとかだが、台風とかでなければ大丈夫だろう。


 更に下調べをするも、同じ車種で同じエンジンのセルモーター交換情報がネット上には存在しなかった。しかし、トヨタでもどこでも、エンジンを一つ開発すれば、それはいろいろな車に搭載されていることがほとんど。違う車種での情報があったので仕込んでおいたのだが、ちょっと狭くてやりずらいが何とかできた、と書いてあったので、おそらく私にもできるだろう。端子を二つ取り外して、ボルトを二本外せば本体を取り外すことができて、取り付けはその逆をやればいい。


 でも、ちょっと不安になったので、これまたネット上を徘徊していると、私の車のメーカーから出ている修理書(のコピー?)が、1000円で販売されていたので、これも手に入れておいた。今日届くだろうから、これで完璧である。


 この部品取り替えの価格、一般的にはいくらかというと、突然壊れて動かなくなってしまったのなら、国産普通車の整備代、部品代、出張料込みで55000円なんて情報もある。普通の工場でリビルト部品を使って30000円から、なんて書いてあるサイトもある。ヤフオクで部品を調達して、自分で何とか取り付ければ1万円位で済むので、この整備のスキルを習得しておいて良かったと思うことしきりである。


 時を同じくして、かつて「いつか購入できたらいいね」とカミサンと話していた「トヨタシエンタ」の新車が発表された。


 新しい車は新しい車でそれはいいに決まっているのだが、この先車の電動化が進んでいくとしたら、このようなレシプロガソリンエンジンの車は希少になるのではないかなと思い、ますます買い換えるなどという選択肢はなくなって行く、というよりもまず、先立つもの、お金がなくて買えない、というのが現実的なところなのであった。



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