コレクションはオリエントの自動巻き

 何となく集めていたら、コレクションのようになってしまった。


 昨日、Amazonの新生活セールで一万円位安くなっていた、日本のORIENTという時計メーカーの新品の腕時計と、中国から腕時計のベルトが届いた。


 Amazonのセールなんて自分には関係ないと思っていたのだが、何となく「あとで買う」という所に入れてしまった腕時計を見ると、突然安くなっていたので、迷った末に買ってしまった。


 メルカリで買ったビンテージの物は、ベルトの部分の径が小さく、カチッと固定する部分も按配が良くなかったので、中国の通販で新しいベルトを注文しておいた。このようにちょっとしたエラーがあると相場よりも安く買える事があるので面白いのだが、失敗することも結構あるので、まあ何とも言えない。


 夕食後、ニュースを見ながら腕時計のベルトを取り替える。かなり前に購入した、腕時計のベルトを修理する道具一式を引っ張り出してきて、テーブルにはよく見えるように布を敷き、何故だかこんなものもある、ライト付きの少しごっつい拡大鏡を頭に装着し、作業に取りかかった。脳の病気の後遺症で、まぶしい物が苦手なカミサンから「ちょっとまぶしいから角度を変えてくれる?」と言われたので、作業する位置を修正した上で作業は継続した。


 今回の中国製ベルトは、とてもしっかりとした製品だった。コツを習得するのに少し時間がかかったが、何とか取り外しと取り付けとコマの調整までが完成し、店に頼んだら三千円位はするだろうな、などと満足感に浸りながら、新しいステンレスのベルトになったビンテージのオリエントAAAデラックスなる時計を腕に装着してみた。


 ここ最近、オリエントの自動巻きの腕時計ばかりを買ってしまい、連ちゃんで毎日いろいろと届いているのだが、やっぱりこのビンテージが一番しっくりくるような気がした。


 こればかりは主観とか好みとかがあるので、何とも文字にするのも憚られるが、とにかくベルトを取り替えて修理したことで、装着していて気持ちのいい腕時計になった。日本製のムーブメントというのはもちろんだが、デザインとか古さとか付け心地とか、いろいろな要素が満足度を高めている。


 もう一つの新品はというと、これは新品なので、いつでも買えるという安心感があるからなのか、ちょっと入るところが違う。いつまでも箱から取り出すこともせず、ようやく寝る前になってAmazonの箱から取り出し、新品でビニールを被った風防と、MADE IN JAPAN と大げさに書かれた帯をちょっと眺めただけで、腕に装着することもなく収納してしまった。


 予算もないので恐らくこれで終わりだとは思うが、数えれば何本ものオリエント自動巻きの腕時計を買ってしまった。カシオでもなく、セイコーでもなく、シチズンでもない、オリエントと言うところがミソなのである。


 わかる人にはわかって、わからない人には何が何だかさっぱりわからない、そう、これこそがコレクションの醍醐味なのだ。


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