悲しい年度末
年度末である。
かつてトヨタの中古車センターに勤めていた時、3月の年度末というのは一つのお祭りのようなものだった。
中古車の税金の仕組みとして、売買が成立し、3月中に名義変更をすれば、前の所有者に次の自動車税はかからなくなる。
一方で、名義変更が4月1日になってしまうと、とりあえず一年分の自動車税額が記載された納付書が送付されてしまう。
4月中に名義変更をすれば実質の負担は一ヶ月分でいいのだが、これがまたいろいろと面倒臭い。
この面倒臭いをできるだけ少なくしたいので、年度末の三月には自動車の買い換えや登録業務が集中する。各ナンバーを管轄する陸運局事務所、業界用語で言うところのリクジは、この時期てんてこまいなのである。
これは自動車税を扱う側からみた見解であるが、販売サイドから見ても、会社からは決算だの何だの言われて、販売はハッパをかけられる。
ということで、自動車の業界はこの時期、忙しいはずなのである。
でも、私が業界にいたのはバブルの頃なので、もう状況は変わっているかも知れない。
昨日も書いたように引っ越しが多かったり、入学や入社や転勤などに伴って人の動きも多くなる。そして桜も咲き、陽気が良くなり、植物たちも人間達も冬の辛さから解放され、活発に活動をはじめる。
そんなこともあるのか、コロナの感染者は高止まりどころか増えてしまっている。
気持ちが高ぶり、季節の移ろいを感じることができるのは人間として愉しい限りだが、お正月からのような同じ事を繰り返すことにならなければいいなと思う次第なのである。
この先もワクチン接種の人生が続いてしまうのか、マスクは永遠に取れないのかなど、地球が営む季節は確実に変わっているものの、そこに生きる私達を取り巻く状況はあまり変わっていないのが悲しい限りだ。
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