非正規雇用の悲劇
先日の地震の被害により、隣町にある大手ショッピングモールの半分が未だに開店できずにいる。
数年をかけて造成、建築され、コロナ禍真っ只中に開店して心配だったのだが、やはり大手は資金があるのかやり方が上手なのか、最近では休日になると県道が渋滞するほどにお客さんを集めていた。
日本で三番目に大きいと言われているショッピングモールには170ものテナントが入っており、テナント料を払う一方で、それぞれが工夫を凝らしたお店を展開している。
ショッピングモールの商売は、商品があってこそ成立する。在庫がないのでお取り寄せしますという形態は、特殊な商品を除いては殆どないだろう。
限られたスペースで展開しなければならないのだから、当然在庫を持ち、可能な限りの数を展示しているのだと思う。
そんな中で起きてしまった大地震。広い範囲しか報道されていないが、実はこの地区の下には断層が走っている。
東日本大震災の時も、この地域は揺れが激しかったようで、屋根瓦が落ちた家が多かったように思う。いつまでも屋根のブルーシートが被さったままだったので、これはよく覚えている。
カミサンの勤めているスーパーなどは、驚いたことに、夜の地震の翌日、定時の10時に店を開けた。一方でこのように、何週間経過しても開店できていないお店もある。
カミサンのスーパーは隣県に根付いたスーパーで、おそらく隣県の社員が地震発生と同時にたたき起こされ、片付けと整理に駆り出されているのだと思う。それにしても、何があろうとも開店するのだぞというそのパワーたるものは、凄まじい勢いを感じる。いい意味で言い方を変えるなら、従業員を休ませることなく雇用を継続してあげたいという心意気も感じる。
被害の程度もあるので一概に比較することはできないが、先にお話した大手資本のショッピングモールは、それなりに厳しい状況に置かれている。
大手の運営会社自体は体力もあるだろうからいいとしても、可愛そうなのはそこで働いている人たちだ。整理に駆り出されて、お給料をもらえるならいいけれど、現実はどうなのだろう。お店が開店しなければ休まざるを得ない人も沢山いると思う。
このような時に感じるのが、社員と非正規雇用、時間給で働いている人との格差だ。社員には給料が支払われるとは思うが、非正規雇用で時間いくらで働いている人には、当然賃金は支払われない。これが非正規雇用の宿命であり現実だ。
かく言う私は、主に二種類の仕事を仰せつかっている。メインの方は数日休みになったものの、今現在は復活しており、助かっている。
一方でもう一つの、倉庫から港へ某製品を運ぶ仕事は、倉庫がめちゃくちゃになってしまい、これまた大手スーパーと同じく、未だに仕事ができていない。私はこちらの担当者がお医者さんに行ったり、用事で休んだりする時に替わりで入る、という感じなのでそれ程の影響はないのだが、この仕事をメインで行っている人は大変だ。とある会社が仕事を受け、その会社が私達の会社をはじめとする数社を傭車で使っており、困っている人は沢山いると思う。もちろん、仕事がなければトラックは動かすことができず、運賃は支払われず、給料ももらえない。
華々しく営業しているショッピングモールを見てみて欲しい。殆どのお店が、今まで話してきたようなパートやアルバイト、非正規雇用の人たちで回っている。
今回のような事態になってしまったとき、困る人は沢山いる。
全国の高齢者に5000円配る予算があるなら、このような人たちをまず、助けてあげて欲しいものである。
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