カテーテル

 昨日は休みを取って、カミサンを病院へ連れて行った。


 今までも入退院を繰り返しているけれど、入院が土曜日の休みの日だったり、仲の良い友人が付き添ってくれたりしていたので、仕事を休むことはなかった。


 しかし、カミサンの唯一の心の友は先日、過労とストレスから倒れて救急車で病院に運ばれてしまった。幸い大事には至らなかったがさすがに頼むことができないので、当たり前ではあるけれど、家族である私が付き添いで、病院につれて行った。


 その病院は県内でも随一の規模と最新の設備を誇る総合病院で、ドクターヘリも常駐している。平日昼間にもかかわらず、ありとあらゆる年齢層の人たちがいる。


 個室に呼ばれ、先日撮影した心臓のCT画像をもとに、今回行う心臓のカテーテル手術についての説明を受けた。こういう手術ですよ、こんなリスクがありますよ、という事だったが、わかったようなわからないような感じである。結構長い間、カミサンと私と担当してくれるドクターと看護師さんとで部屋にいて、手術に関する説明を受けた。


 カミサンが受けるカテーテルという手術は最新の技術を駆使した施術で、画面に映し出されている心臓の画像を見ると、日本の医療の技術の進歩が見て取れる。太い血管の中の小さな血栓などまでが映し出されており、この情報を元に行われる手術なら大丈夫だろうな、と、少し安心した。


 私は血に関する話を聞いたりするのが苦手で、今回もこの説明を聞くのを躊躇していたのだが、思いの外、症状は出ずに大丈夫だった。病院の駐車場を出る際カミサンから、説明を聞いて大丈夫だったか、気持ち悪くなっていないかと心配の電話があった。自分の方が大変なのに逆に心配をかけてしまい、申し訳ない気持ちになった。


 このあと午後からは、インフルエンザの予防接種を受けに行った。我が家は病人が多いので、私も周囲に迷惑をかけてはいけないとの思いから、今年は珍しく積極的になり、ワクチンを打つことが出来る病院を探して予約していた。


 どこの病院にもワクチンはなく困っていたが、とある心療内科が内科も並行して行っていて、ここで予約を取ることができた。


 かつて付き添いで来たことのあるこの病院も、平日昼間なのに人がいっぱいである。現代社会の難しさを垣間見たような気がした。


 先ほど妻からラインが来て、朝の8時から点滴が始まるという。大変だろうけど、手術が成功すればかなりの確率で根治するらしいので、何とか頑張ってほしいものである。

 

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