ひとり
家に帰ってもカミサンがいない。久しぶりだ。
先日の説明では、終わったら連絡しますから、とのことだったので、手術が終わればドクターから電話がかかってくるはずなのだが、未だに連絡がない。
今回は義父からも「手術の足しに」ということで、いくらかの援助をもらっているので、さすがの私も経過の報告をした。
男二人だけの、静かな時間が過ぎていく。あまりいいもんじゃない。
カミサンが用意してくれていたスープカレーを暖めて食べる。何だこれは、猛烈に辛いけれど、我慢して食べる。その次にいつものサラダを食べていると、電話がかかってきた。
遅くなって申し訳ありません、と、ドクターからだった。
右がああで、左がこうで、上が何とか、下が何とかで、ちょっと手こずったので時間がかかってしまったけれど、手術は終わりました、2時から6時までやっていましたので今になりましてすみません、経過の観察をして、異常がなければ今週中には退院できる予定ですので、様子を見ながらまたご連絡します、との事だった。
先日、せっかく説明を聞きに行ったのだけれど、肝心な所の、どこをどうするのかがあまりよくわかっていなかった。リスクの説明の理解にばかり集中してしまっていた感じである。
早速義父にも報告し、カミサンの友人にも報告のLINEを送った。
洗濯をして、洗い物をして、明日の準備をしてと、屋久島時代を思い出した。
しかし、4時間の手術とは大変だ。本人はもちろん大変だろうけれど、日本の医療制度と担当してくれた皆さん、そして執刀していただいた先生には感謝の言葉しかない。
ほんとうにありがとうございます。
その後、今朝の6時前にカミサンから電話がかかってきた。予定よりも長引いてしまったので麻酔が少し強く、まだぼうっとしているようだ。身体にはいろいろな線が繋がっているので自由が利かず、スマホを持ってのLINEもできないのでこうして電話したけど、大丈夫だから心配しないでね、との事だった。ひとまず安心した。
ちょっとイレギュラーな点があったので、少し時間がかかった、との説明があったのが少し心配だったけれど、本人からこうして連絡があったので、大丈夫だろう。ここだけの話、不死身の義父の娘であるカミサンは元々は丈夫な身体を持っているので、元気になって帰ってきてくれるに違いない。
入院は数日の予定なので、この程度の期間なら何とか二人でも大丈夫だ。
人生にはステージがあり、その時その時で様々なシチュエーションがある。これも試練の一つとして受け止め、何とかあと数日、がんばって行こう。
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