引退
現在55歳だが、高校の同級生とはラインで繋がっている。
卒業してからも、かなりの頻度で同窓会を開催するなど、同級生としては仲が良く、繋がりも強い。
メインは男女各6人位いる。ご多分にもれず、若干幽霊化している者もいるので、数は定まらない。
仲がいいとはいえ、運営は微妙だ。当初グループにいた友人一人は突然辞めてしまったのだが、私にはその理由がよくわかる。
今日はここで飲んでいます、誰と誰がいます、など、酔っ払って飲んだくれている写真が送られてくることがよくある。今はコロナで少なくなったものの、その頻度はかなり多い。基本的に集まって酒を飲むのが好きだ。私は時間もお金もないし、離れているので、これに参加することがなかなか難しい、というのは都合のいい言い訳で、基本的に酒が好きではないのに加え、飲酒に対してお金を払うのが渋ちんだ。
辞めてしまった彼の職場は、とても忙しい環境にあった。それに比べて、私を除くその他の男子は、超が付くほどの優良企業にいる。
土日休み、お盆、お正月、GWの休みがきちんとあり、ボーナスも支給され、給料も高く、年功序列が崩壊していないようないい会社だ。55歳ともなれば、年収も額面で1,000万前後なのだと想像される。慣らすと月に80万である。たったの二か月で、私の所得以上になってしまうのだ。
女性陣も、東京の東部多摩エリアの一戸建てやマンションに住んでおり、結婚していて子供がおり、普通に暮らしている。時々集まって旅行に行ったりもしている。苦労をかけてしまっている私のカミサンとは大違いなのだ。
このラインの中ではじめて、大手会社の某彼が「間もなく引退だから」という言葉を口にした。早速こそくなに調べてみると、彼の大会社は58歳が定年だった。
しかしである。
ホームページには、その後もキャリアに応じて、シニア向けの様々な仕事をご用意しています、などとある。定年になったのだから放り出せばいいのに、どこまでも日本の大企業は人がいい。
年収が減ってしまうとはいえ、会社の中にいるなら、パート勤務歴15年のうちのカミサンのように時給860円というような給料体系にはならないだろう。1,000万円が、私の年収である200万円になるなど、どう考えてもありえない。5割減ったって500万だ。8割減ったって200万もらえるのだ。何ともおめでたい。
大きくて、利益の上がっている大企業は、やはり待遇が違う。しかしこれはまあ簡単な話で、こんな所で文句をたれる位なら、卒業後に浪人してでもきちんと大学へ行き、就職活動をし、いい会社に入ればよかっただけの話である。
私だって高卒で入った自動車ディーラーにずっといたなら、それなりに生活できていたと思う。しかし、それを嫌い、自分から断ったのだから、文句を言う筋合いはない。
今の会社は健康なら65歳まで働けるし、その後も身体が動けば、給料は変わらずで雇ってもらえるだろう。同じ現場にいる他の会社の同僚は、この前70歳になったけれど、まだまだ現役だ。
辞めさせられる事はなさそうなので、健康第一で、死ぬまで一生働いてやろう、なんてちょっと前まで気負っていたのだけれど、ここ最近はパワーがなくなって来たのを切に感じる。十分な備えと年金の元、充実した老後生活を、なんて誰もが思っているとは思うけれど、実際問題、満足できている人は少ないのだろう。もしかすると、生活水準が高い人ほど、その傾向は強いのかも知れない。
少ない所得でも、何とかカミサンと二人で幸せに暮らしている私は、もしかすると勝ち組なのかも知れない。
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