お盆

 「お盆期間中の休暇のお知らせ」


 インターネット関係の会社からは、今月に入るや否や、お盆休みの告知がメールで送られてきていた。


 かつてはちょろちょろと取引などがあったものの、今となってはもう、殆どお付き合いのないIT企業各社からこんなメールが来るのは、あまりいい気持ちではない。


 現在のバイトの仕事は、まさしく今が繁忙期なので、お盆期間中の休みは計画されていない。


 今年の夏、お盆の休みはなく、いつも通りに働く予定だ。日給月給制なので、働かなければ、生活費が不足してしまう。


 実家への帰省は政府をはじめとする主要な機関から自粛が求められているし、そもそも東京には怖くて行けない。間もなく90となる両親は心配だが、こればかりは仕方ない。


 荷物、人、車の動きが、お盆休みに向けて変わってきているのがわかる。


 バイト先の会社の駐車場には、いつもは地方から地方へと荷物を運んでいる人が帰って来ている。


 道路も心なしか空いている。他府県ナンバーのピカピカの乗用車や、キャンピングカーが見受けられるようになった。


 私はコロナで休みになると、仕事がないと言い、お盆の休みがなかったらなかったでこんな事を書いている。


 何とも自分勝手なのである。


 根底には、土日が休みで、給料が高くて、お盆やGW、年末年始は海外へ出かけているような、優良企業への嫉みがある。


 自分は今まで大学へも行かず、高卒で就職しても12年で辞めてしまい、よく言うなら自由な人生を歩んできた。


 こんな事を言うのではなく、きちんと自分で独立して、仕事と休みを自由にコントロールできるようになるのが理想なのだけれど、現実問題、なかなか難しいのである。


 時間がなくても、努力しなくても、お金が手に入る方法なんてあるわけない。あってもインチキだ。


 それなのに、投資やらFXやらに目が向きかけた自分が情けない。でも大丈夫だ。この講座は100万円するので、絶対に払うことはできない。


 今からでも遅くはない。地道な努力を重ねていこう。それが幸せへの最短距離なのだ。


 

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