ランドクルーザー モデルチェンジ考

 トヨタの主力車種の一つであるランドクルーザーが、十何年ぶりにモデルチェンジをするという。


 かく言う私もランドクルーザーに乗っているが、全く興味がない。


 自分で記事を読んだ訳ではない。義父やカミサンが言うには、指紋認証が導入されるとのこと。


 いろいろな意見があるだろうが、昭和53年式のランドクルーザーに乗っている身としては、寂しい限りだ。


 現代の車は規制もあるのだろうが、どんどんとハイテク装備を導入している。トヨタのマーケティング部が考えているのだろうから正論なのだとは思うが、本来のランクルの姿から、更にかけ離れてしまった。


 このモデルチェンジによってユーザーが受ける恩恵は数知れないが、それ以上に、ユーザーが受けるデメリットも大きいことを忘れてはならない。


 いろいろな装備を搭載することで、価格が高くなり、庶民では手が届かない車になってしまう。ハイテク装備は壊れると修理代が高く付く。いろいろなセンサーがあるだろうけれど、私がこの前トラックに乗っていた際に壊れたセンサーは、部品代だけで4万5千円だった。こんなセンサーがあっちこっちに付いているのだから、年式が古くなれば壊れて修理費用が嵩むことになる。新車の頃は保証が付いているからいいものの、中古車になれば突然価値が下がるという現象が起こる。


 今、限られた車種のランドクルーザーに言えることだが、中古車の価格が高騰している。ちょっと言葉で説明するのは難しいのだが、とある条件に見合うランドクルーザーは、とんでもない価格で取引されている。私のモデルに至っては、ASK、価格応談が連発している。これはかつてトヨタ2000GTやスカイラインGT-Rなどで見られた現象だ。


 世界一の自動車メーカーとして、ハイテクな装置や安全装備に力を入れたい気持ちはわかる。でも、ちょっとやり過ぎのような気がする。


 このような装置が開発され、新しい車に搭載されればされるほど、古いランクルの価値が見直され、価格が高騰してしまう。これは何を意味しているのかわかるだろうか。


 今のランクルが面白くないから、魅力がないから、昔の車に目が向くようになってしまうのだ。


 一つ披露すると、極上のランクル70あたりなら、小売価格は1,000万円を超えてくる事もあり得る。


 電気装備が増えて価格の高い新車、物凄く高い旧モデルの中古車、壊れると高く付く最近の新車、トヨタの車作りが生み出してしまった状況である。


 車への解釈を、もう少し考えてもらえればと思う。


 宣言しよう。指紋認証の付いたランクルは売れない。

 

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