親と同居のストレス

 義父が入院した。


 結局、付き添いというのは、医者から言われた必要のあるものではなく、ただ、自分の荷物を持って欲しいというだけの事だった。


 かつての職場の同級生が呼び出され、自宅にきてくれた。9時半の約束だったので、もっと早く来てしまうだろうと9時にパートに向かった妻だったが、やはりそこは義父と同じ歳の同級生なので大幅にフライングして、9時半の約束の30分前の9時、見事にバッティングしてしまった。そんな時に限って義父は朝のうんこに勤しんでおり、妻は父と同じ歳の同級生と時間を繋ぐのに苦労した。幸いにも故障して置いてある、錆の浮いた私の車の事などを話しながら、何とか時間を繋いだ。


 義父が入院した翌日、朝は快適だった。


 いつトイレに起きてきて、私の朝のルーティーンを邪魔されるのかと、今になって考えてみればストレスだった。


 出発当日の昨日などは、私が台所で弁当を詰めたり仕事で飲むお茶を水筒に詰めたりしているところに堂々とやってきて、彼の朝のルーティーンである洗顔を台所で始めた。しばらくして私は、あらかじめ淹れてあった自分で朝飲むお茶を台所から引き上げようとコップに手をかけたところ驚いた。お茶がなくなっている。


「この中にお茶入ってませんでした?」

 翻訳すれば、この野郎、俺のお茶飲んだだろ、である。彼はお茶がらをゴミで毎日沢山出す。私は少し蒸れて、一番美味しく抽出できる一番美味しい所をこの湯呑に淹れる。美味しいのだから、美味しそうに見えて当たり前なのだ。

 

「ん、入っていた」

 子供が悪いことをした後に弁解するような仕草をしながら、義父は言った。糞食らえ。


「こっちの急須に移してあるよ。飲んではいないよ」

 捨てたか飲んだかはわからないけれど、とにかく俺のお茶に手を出したことは確かな事実だ。こっちの急須にだって、予備のお茶をたっぷりと淹れてあったので、移せるはずなんかない。自分を正当化するために、こいつは嘘ばっかりついている。人として最低だ。悪い言葉で言うなら、嘘ばっかりつきやがる。この人の事でこんな言葉を使いたくはないが、こいつが種を蒔いているんだから仕方ない。


 こんなストレスから、一応二週間程解放される予定だ。


 入院するにあたって彼は個室を希望し、トイレにウォシュレットがないなど、相変わらず自分勝手な事を言っている。妻と私は聞こえてしまうだけで頭にくる。もちろん個室など空いているわけはない。病院だろ、そこ。うんこできればいいじゃないか。


 何でこんな自分勝手な老人に、税金から高額な医療費をつぎ込む必要があるのだろう。100円や200円じゃない、透析するとなれば一ヶ月40万円だ。国が破綻しないのがおかしい。透析なんかしなくていい。


 日本国の風船は今、歪んでいる。近いうちに弾けて破けてしまうだろう。


 私もどきがこんな事を書いたところで何も始まらないのはわかっているけれど、書かないより書いた方がいいかなと思い、問題提起をさせていただいた次第であります。


 ごきげんよう。



 

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