コア返却なし

 車の修理はお金がかかる。


 そろそろ壊れそうな部品があった。


 エンジンをスタートさせるモーターで、セルモーターとか、スターターとか言われる部品があるのだが、これがそろそろ寿命を迎えそうな動きをしていた。


 新品はまだ出るのだが、とんでもなく高い。18万位。


 市場にはリビルト品と言って、国内でオーバーホールされたものが流通している。


 国内の修理では、このリビルト部品を買って、壊れた自分の「コア」を返却する方式が主流となっている。これがおよそ、送料込みで3万5千円+工賃で、普通なら5万円位になってしまうだろうか。


 節約できないものかと中国のサイトを見てみると、あった。新品で送料込み、約1万5千円。コアの返却も必要ない。


 部品の動きが怪しくなってきた昨年暮れ、この中国製を購入しておいた。


 つい先日、ついにモーターが動かなくなり、ということはすなわち、エンジンがかからずに車が機能しなくなり、この中国製部品を取り付けることになった。


 この故障は、エンジンのオンオフが激しい宅配車などではよくある故障で、なってしまったら仕方がない類いの故障だ。前兆もあるにはあるが、よっぽど注意していなければわからないかもしれない。


 取り付け一日目、夕食後に車の下に潜り、古い部品を外し、新品の中国製を取り付けようと試みた。しかし、穴が合わずに取り付けができず、翌日に持ち越しとなった。


 翌日朝、バイト先の整備工場で穴を加工してもらい、その日の夜に再挑戦。


 今度はエンジンに部品が干渉し、上手く取り付けができない。夜の近所迷惑な時間に仕方なくサンダーを持ち出し、削って加工するも、どうも穴にボルトが上手く入って行かない。


 二つの部品の形状は微妙に違っている。


 何とかなるかと思い頑張ったが、カミサンが連日夜の作業でかなり心配しているので諦めて、ヤフオクでリビルト品を即決価格で買った。オークション終了を待つよりも数千円高くなってしまったが仕方なかった。


 その部品は明日到着予定である。


 やはり精巧な作りが要求されるものは、日本製でなければダメなようだ。


 ケチケチ中国製作戦が、結果的には高いものについてしまった。


 反省しきりである。



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