腕時計
中国の通販で腕時計を買った。
腕時計と言えば、かつては日本のお家芸で、セイコー、シチズン、カシオ、オリエントなどが、今でも高品質な腕時計を生産し、世界中にファンがいる。
中国通販のサイトを見ていたら、20ドルほどで、そこそこ格好の良い腕時計がいろいろとあったので、試しに購入してみた。
腕時計は以前から好きで、カシオのプロトレックや、G-shock などを愛用していたが、プロトレックは電池切れでそのままになり、G-shockは、バンドの修理が上手く行かず、そのまま放置されている。
去年の誕生日に、カミサンがカシオのカッコイイ時計をプレゼントしてくれたが、普段使いには勿体なくて、お出かけ専用になっている。
ということで、中国の物を買い、普段使いにしてみようと思ったのである。
届いた商品はまずまずだった。時計の部分はそれなりの質感だが、思った以上に品質は良く、電池使用ではあるが、殆ど時刻は狂わない。
バンドの部分も本革のようで、きちんと作られている。
これが2000円なら合格だ。ということで、しばらくこの腕時計を愛用していたのだが、電池が切れてしまい、2000円の時計に数千円をかけて電池交換をオーダーするのも何だなと思い放置となっていた。しばらくして、またもや中国通販で電池をオーダーしたのだが、驚いたことに電池は日本のソニー製で6個もあるのに、2ドルもしなかった。
その電池が中国通販の常で、忘れた頃の昨日届いたので、電池切れだった大陸時計に早速インストールした。慣れぬ初めての作業ゆえか、裏蓋は傷だらけになってしまったが、元気に息を吹き返し、とても気持ちが良くなった。
同じく電池切れになっているカシオのプロトレックの事を思い出し、電池のサイズを確認するでもなく、勢いでこれも交換してみた。
以前お店に持って行って電池交換をした時には、確か3000円程かかったので、自分でできれば儲けものである。
早速作業をしてみると、少々手こずったが、youtubeの力なども借りて、何とか電池交換をすることができた。自分で電池交換した腕時計が、20数年の時を経て復活するのは、とても感慨深い。
このモデルは、プロトレックというシリーズが発売された初期の物で、温度や湿度、高度という三つのトリプルセンサーや、オートで作動するバックライトなどが付いている。時間ごとの湿度を表示する機能もあり、これを見ると天気がこの先どうなるかを予想することも出来るという代物だ。確か、テレビコマーシャルも放映されていたと記憶している。
佐川急便に勤めていた頃だったので財政的にも余裕があり、購入することができたが、当時としてはそれなりの価格がしたと思う。
これも自分では高級な時計と分類していたので、特別な時以外、腕にはめることはなかった。
今、こうして復活したのを見ていると、2回目、屋久島に行こうと再度決意した頃の様子が思い出されて、これまた感慨深い。
夏場の辛い配達時、真っ青な空を見上げ、もう一回屋久島に行ってみようと思ったこと。購入当初迷ったものの、一日だけ試しに腕にはめて行くと、先輩から「おお、いい時計してんな~」と、朝の積み込み時言われたこと。当時の映像が、このプロトレックとリンクしている。
時計には失礼ながら、今はいくらくらいで取引されているのかを調べてみると、一部のG-shockのように高騰するでもなく、数千円で落札されているようで安心した。
「そんな時計持ってたんだ。いつ買ったの?」
電池交換からの一連の作業を見ていたカミサンが、どこからともなく出てきたマニアックな時計を見て不思議そうに尋ねた。かつてはキャンピングカーで屋久島に行き、住み着いてしまう程アウトドアにかぶれていた私も、今となっては普通の人。
いろいろな思い出が詰まっているこの腕時計、私に何かを訴えたくて復活したのかもしれない。人生もっと楽しんでもいいんじゃない?と、言っているのかもしれない。
これからは電池を切らすことなく、壊れても修理をしながら、一生使って行こう。
メルカリやヤフオクで売ってしまう事など絶対にないので、安心してくれよ。
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