売れたもの
昨日夜メールを見ていると、英語で「商品に入札が入りました」との知らせがあった。
東日本大震災時の感謝を込めて、日本のいろいろな商品を紹介しています、とのコンセプトで、海外オークションサイトに日本の骨董品などを出品している。
それなりに出品費用や各種手数料がかかるので、世界の富裕層様を相手に、日本の市場では考えられないような価格で販売している。
いくらで出そうが勝手で、めちゃくちゃな価格が付いている商品が沢山ある。迂りなりに売れてしまえばその価格が相場となってしまう。
私は、日本のかつての文化を紹介したくて、主に骨董品を販売している。
古物商しか入ることの出来ない、プロの集まる骨董品の仕入れ市場に顔を出し、いろいろな商品を仕入れていた。価格は安いが一山いくらなので、買ったはいいけれど量が多すぎて、置き場所に困るという感じの商品が多い。
かつて、日本は養蚕が盛んだった。私の友人の田舎では、家で蚕を飼っており、裏の桑畑から摘んできた桑の葉を蚕が食べている様子を、子供ながらに少しだけ覚えている。
養蚕に限ったことではないけれど、かつての日本では、今では見ることのできなくなったいろいろな道具が使われていた。日本人は何とも思わないものでも、海外の方から見るなら、興味深い物も多い。そこを狙って、一応は取り組んでいた。
今回入札が入ったのは、養蚕仕事の時に使う、木で出来た小さな糸巻きである。それこそ一山千円位で買ってきた物だが、時々売れる。
販売価格は企業秘密、にしても仕方ないので公開すると、日本円で送料込みの3000円位である。一つ売れた所で、オークションの月額使用料にも満たないが、世界の方と繋がることが出来るという意味では、価格以上の価値があると思っている。
一生懸命やっていた頃は、「日本の暮らしをご紹介します」などと謳って、お客さんに英語でのニュースレター、日本で言うところのメルマガなどを書いていた時期もあった。今は仕組みは稼働しているものの、幽霊状態である。
日本人が当たり前にしていることを、海外の方はとても喜んでくれる。海外への発送は、日本のヤマト運輸や日本郵便などとは違い、放り投げられる事を前提に行う必要がある。そのために私は、梱包にかなり気を遣っているのだけれど、そうすると、とても喜んでもらえるので嬉しいのである。
数は少ないけれど、何度か海外からお礼の手紙をもらったこともある。
お金も大事だけれど、やっぱり人間は心と心の繋がりが大切だ。屋久島時代からそう思っていて、最近は毎日の生活で忘れがちであったけれど、今回商品に入札が入り、再びその嬉しさを実感することができた。
今はコロナで、ちょっと送るのが難しいという事情もあるけれど、方法がないわけではない。何とか頑張って、商品をお届けし、海外の方に喜んでもらおうと思っている。
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