　生まれた時から、お金には縁がなかった。

　戦後の高度成長期ではあったものの、「金がない」と言われながら育てられた。

　それならそうで、お金に関してこだわりを持ち、人より頑張ってお金持ちになってやろうと思う人もいるだろうが、そこまでこだわりを持つこともなく、貧乏なりに適当にやってきた。

　何とか苦しいながらも持ち家を手に入れた両親は今も健在で、年金を貯めながら頑張ってくれている。妻が病気になってしまった際には、まとまった支援をしてもらい、大変助かった。かつては金がないと育てられたことに恨みを抱いていたが、今は何とか長生きして下さいね、と、親に対する想いも変わった。

　一緒に暮らす妻の実の父は、おそらく最高峰の退職金をもらい、かなり高いレベルの年金をもらっているはずなのだが、実の娘が病気になろうとも、何の支援もない。ただただ、自分の欲求、食欲を満たすためだけに、年金を貯めるでもなく、浪費している。家族の私たちが何を言っても改善の余地はない。

　お金なんか、あればあったでどこかへ行ってしまうのだろう。

　我が家は貯金もなく、私も妻も借金があり、所得も十分ではないものの、贅沢をしなければ何とか日々、暮らしていくことができている。

　妻が病気になり、やはり一番大切なのは心身の健康だと言うことを、身をもって感じている昨今である。

　一時はアフィリエイトや転売などを盛大に再開して、再びネットビジネスに挑戦しようかとも思っていたが、今のこの仕事を続けることができれば、それはあまり必要のない事なのかもしれないと思うようになった。

　それよりも、妻と一緒にいる時間や、今、この時にしかできない愉しみに勤しむことの方が大切なのではないかな、と、ここ最近考えている。

　お金が欲しいと考えていると、何だか疲れてしまうのだ。

　結果として、お金を稼ぐために何やらの文章を書こうとしても、今はあまりできなくなってしまった。

　このように、思いついた適当な時に、適当な文章を書くことならできる。

　読んでくれる人がいる限り、これだけは続けて行こうと思っている。

　数ヶ月に一度ではあるけれど、全てを一気に読んでくれる人がいる。

　毎回書く度に、読んでくれている人もいる。

　これだけで嬉しいので、頑張って続けていくことにしよう。

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