電話

 東京の親に電話をした。


 オヤジが出て母に代わり、少し喋った後でカミサンに代わった。


 母は過去に脳梗塞を発症し、治療したことがあるが、その後遺症だか、顔面、口の中が神経痛でとても痛くなり、薬を飲んで、ようやく今は治まっているという。


 父は母に対して横柄な態度を取ることが多いが、母が病気になってしまうと、とても面倒見が良く、優しくなる。


 医者に行き、薬をもらってそれを飲むまでは、口の中が痛く、水も飲めないほどだったという。父が何とか水を飲ませ、それで薬を飲んで、今は落ち着いているという。


 姉が来て、父の悪口を愚痴ったところ、「アタシは聞きなくないからそんなことアタシに言わないでヒロシに言って!」と言われたのだという。姉も自分勝手だ。だから姉が間を取り持ち電話をかけてきたのだ。



 母とカミサンは幸いにも仲がいい。母はかなりストレスが溜まっているようで、立て続けにカミサンに喋っているようだ。


 病院で検査をしてもらっても脳には異常がなく、カミサンと同様、母の場合は父と暮らしていることで起こってしまうストレスが、病気の大きな要因になっているのかもしれない。


 ストレスは本当によくない。



 カミサンが最後に私に代わるから、と言い、電話を代わったら、電話口は元気なオヤジだった。


 実家の団地には昔ながらの商店街があるのだが、そこの金物屋が閉店してしまうのだという。閉店セールでお買い得な「かなづち」があったので買ったから、今度来たときに持って行ってくれ、とのことだった。本当にオヤジは、母が病気になると元気になるので不思議だ。


 商店街も、小さなスーパーが何とか頑張ってくれているので助かっているが、またひとつ商店がなくなってしまい、寂しい限りだ。


 今までは用事のある時にしか電話をしていなかったが、これからは頻繁に連絡してあげましょう、ということになった。


 周囲が病人だらけになってしまったが、私は病気をしないように頑張ります。仕事柄、怪我の可能性も高いので、これもまた、気を付けます。




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