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 カミサンは脳の血管が詰まる病気を発症したことから、血液をサラサラにする薬を飲んでいる。この薬のおかげもあり、順調とは言い難かったが、7月末に病気を発症して以来、何とか今までやって来ることが出来ている。


 普段の生活に戻りつつあったのだが、ここへ来て今度は子宮頸がんの手術である。コロナが着々と、こちら東北地方にもやって来ているので、手術が先送りになってしまわないかと心配だったが、何とか大丈夫のようだ。


 血液をサラサラにする薬を飲んでいると、血が止まりにくくなる。


 でも、手術をしなければならない。手術は出血を伴う。


 先日の手術の説明を受けた際、手術の二日前から薬を止めるように、ドクターから指示があった。明日からカミサンは、命を救ってもらっている薬を止めなければならない。


 彼女にとって、これはとても大変なことだ。


 ギリギリまで買い物や家事、入院の準備をしてくれていたが、明日は何もせずに一日ゆっくりとしていなければならない。薬を止めたのに頑張りすぎて、脳の病気が再発してしまっては大変だ。


 脳の病気で突然入院してしまった時は、突然だった事もあり、実は私もちょっと大変だった。今まで何を頑張っても減らなかった体重が、みるみる8キロも痩せてしまい、「旦那さん大丈夫かしら?」と、ご近所のおばちゃん達から、密かに心配されていた。今思えば、あまり大丈夫ではなかった。


 今回はあらかじめわかっている入院だし、準備もしているし、予定では三日で退院できる手術なので、前回よりは、精神的に楽だ。状態も治療が必要な状態だとは言え、順調に推移すれば、かなりの確率で、元の生活に戻ることができるというレベルだ。


 でも、これは私の主観であって、当の本人は命を繋いでいる薬を止め、麻酔をして手術をしなければならない。術前の説明で、いろいろなリスクを教えてもらったが、これらも頭に入れ、万が一の事態を覚悟しておかねばならない。


 カミサンの仕事は、今が一番忙しい時期。でも、偶然が重なり、代わりの要員が突然現れ、何とか職場も回すことが出来ているようだ。


 前回突然病に倒れてしまった際には、私がカミサンの職場に行き、カミサンの職場の責任者と現場の人に状況を説明したりもしたのだが、今回は本人が説明しているので大丈夫だろう。


 コロナと合わせて、今年はとんでもない年末になっているが、何とか乗り切って、良い年を迎えたいものだ。


 がんばろう。


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