かに

 かつて、アフィリエイトというシステムを使って収入を得、生計を立てていた時期があった。


 一応プロだったので、それなりの数のサーバーやらドメインやらを所有し、皆様の悩みを解決するサイトをいろいろと作っていた。


 時代の流れでこれらは殆ど機能しなくなった。


 残してあるものもあるけれど、維持費がかかるばかりで、収益は全く発生せず、経費の支払いが生活を圧迫している。


 ただ、全てを放り投げていないのは、インターネットの可能性をまだ、捨て切れていないからだ。スマホで誰もが簡単にインターネットにアクセスできるようになった今の時代、人が集まる所には悩みが渦巻き、それを解決するために広告が存在し、人々はそれを見て、悩みを解決するべく行動する、という、古の流れがある。


 かつての駅の広告、電車内の広告、テレビのコマーシャルなどは、広告代理店を通じ、一部の大きな会社でなければ、出稿できなかった。


 しかし今は、インターネットを使って、個人レベルで自由にサイトを作ったり、広告を提供したりする事ができる時代になった。


 黎明期のはしくれとして、何とか副収入レベルでいいから復活させようという思惑があり、全削除はせず、少し名残を残してある。


 ここ数ヶ月は殆ど成果が発生していなかったが、昨日久しぶりに管理画面を見てみると、成果が二件発生していた。


 今、成果が上がるのは車関係ばかりなので、冬タイヤでも売れたかなと思いきや、これが久しぶりのカニだった。


 このサイトはホント、適当に作り、メンテナンスもせずにほったらかしにしてあるのだが、こんな風にして忘れた頃に成果が発生する。


 このお店がいいですよ、といって、一位で推しているお店は既に商売を辞めてしまったのか、クリックすると、ドメインの初期画面、お店とは何も関係のない文句が出てきてしまう。


 成果が上がったのは、二位と四位に掲載していたお店。


 北海道のカニという商品は、今の時期、ユーザーにとって、とても魅力的なのだ。


 かく言う私は、何を隠そう、エビとカニの軽いアレルギー持ちである。好き嫌いは全くないレベルだと思っていたが、エビとカニはその美味しさがわからず、見ると気持ちが悪くなってしまい、どうしても手が出ない。


 屋久島にいた頃、親方の弟のキヨサクさんに、伊勢エビを一匹もらったことがある。湯がいて身の部分を食べようとしたが、気持ち悪くなり、殆ど食べることができなかった。


 ニューカレドニアに新婚旅行に行った時も、ロブスターなのだろうか、青くてでっかいエビが出てきたことがある。色合いと模様と裏側の様子がどうもダメで、これもあまり食べることができなかった。


 こんな私が作ったサイトからでもカニは売れる。


 売れろ売れろと意気込んで作ると、上手く行かない。


 カニはとにかく、季節性や商品に力があるので、それ自体が存在しているだけで人間を魅了し、欲しくなり、売れてしまう商品なのだ。


 こんな風に商品の力任せではなく、自分できちんと皆様のお悩みを探り、より良い商品や、満足できる情報を提供出来るように、今、再度勉強している最中だ。


 これを機に、久しぶりに頑張ってみようと思っている。



 

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