グレタさんへ

 カミサンは子宮頸がんを発症してしまい、間もなく手術をする。


 二件隣の旦那さんは、二年前、食道がんで亡くなった。


 反対側の二件隣のお父さんも、聞くところによるとがんで、もう動けないらしい。


 狭い袋小路の両側、わずか六件しか家がないのに、三人もがんになってしまっている。


 我が家の上には、最大50万ボルトと言われている送電線が通っている。鉄塔はすぐそこにある。比較的海に近いので、電圧はそれなりに高いと思う。今現在、私のいるここからは、ここは東北なのに、関西の電気を作るための火力発電所があり、規制で定められた範囲内という名目で、有害物質をまき散らしている。今日ももくもくと、煙が上がっている。


 インターネットには、「高圧送電線鉄塔付近の住民に、がん、白血病が多いことは世界の調査研究で明らかです」とある。東北電力は「人の健康に有害な影響を与えることはない」と言っている。一応エビデンスは示されているが、組んでいるようにしか思えない。これを認めてしまえば、商売が成り立たないのだから、このように書くしかないのだろう。


 人間は愚かな生き物だ。


 自分で電気を作って、さんざん使って、便利な生活をしておきながら、一方で、地球温暖化を何とかしなければなどと言っている。簡単じゃないか。電気なんか使わなければいいんだ。200年位前の生活に戻ればいいんだ。みんな馬を飼って、馬で移動すればいいんだ。燃料は草だし、煙も出ないし、空気も汚さないぞ。


 ここ最近の5Gとか電気自動車とか、聞いているとむなしくなってしまう。この人たちは便利のリスク、便利を利用する一人一人の責任を、何もわかっちゃいない。


 世界が手のひらに乗る小さな端末で繋がったり、便利にあっちこっちに移動できるのは、それはそれで便利だと思う。だけどそれは、地球の存在、自然に逆らっている行為なのだと思う。だからこうやって、ツケが来てしまうのだ。


 グレタさんがあれだけ言ったって、話題になるだけで、殆どの人は具体的な行動を起こしていない。


 今回のコロナウィルスで、地球は警告を発している。昔の質素な生活に戻りなさいと。あんたたち、こうでもしなければわからないのかと。


 まあ今更昔に戻るのは実際問題無理だろうから、近いうちに地球が怒って、トドメの一撃を私達に加える日が近いんじゃないかと私は思っている。


 とにかく、電気はダメだ。スマホ傾倒も。人間がおかしくなるぞ。


 私はカミサンがいなかったら、山に籠もってミイラになりたい気分だ。ダメか、法律違反か。でも、ミイラになりたいぞ。


 とにかく、とにかく、電気はだめ。


 グレタさん、更なる活動を、よろしくお願いいたします。






 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る