本音

 週末、とても天気が良かったので、カミサンと散歩に出かけた。


 体力が落ち、ソファーに転がったままの状態から、何とか散歩に行ったり、家事をしたり、という事ができる位まで体力が戻ってきた。


 今月からかなり無理をして仕事にも行っている。以前の彼女とは違い、今でも帰ってくるとぐったりしてしまうが、少しずつ、前に向かって行かなければと、自分で言っている。


 家にいた所で、ストレスの大元である実の父と暮らさなければならないので、こんな事なら倒れてでも、仕事をした方がいい、とも言っている。


 東京ではとても住むことのできない、大きな一軒家を建ててもらったという感謝は忘れないようにしているが、義父の存在は私達にとって、大きなストレスとなっている。要介護で、身体障害者手帳も持っているのに、老人ホームに入るのを嫌い、家で自分勝手な生活をしている。二世帯住宅ではないので、トイレも台所も同じだ。カミサン自身の分析によれば、私が病気になってしまったのは、こいつと一緒に住んでいるからだ、と、ハッキリ言っている。


 カミサンの友人からは「どこかアパートでも借りて住むことはできないの?」と言われているが、悲しいかな、ここまでずるずると来てしまったので、アパートを借りて生活するまでの、経済的な余裕がない。それが出来るくらいの仕事ができないわけではないけれど、そうなると私は家に帰ることが殆どできなくなり、カミサンはいつも一人になり、これまたストレスとなってしまう。ある程度家にいることができ、かつ、生活できるギリギリのレベルの収入を確保できる、今の仕事がいい、という結論になっている。


 いろいろと話をした結果、ここが私達の家だと割り切って、何とか暮らしていこう、こいつが死ぬのを待とう、と言うことになっているのだが、悔しいかなこいつがなかなか死なない。人道的にこんな事いっちゃいけないのは百も承知だけど、この人はいままでの長い間、存在自体がストレスのまき散らしという殺人と同じ事を、平気で私達にしてきている。このテキストは文学作品であるので、もうどうなっても構わない。カミサンが病に倒れ、私達が今苦しんでいるのは、全てあなたの存在のせいだ。

 

 行ってきます、でも何でもない。二人で散歩ファッションに着替え、家を出た。近所の神社の銀杏が紅葉しており、とても綺麗だ。


 堤防の上のサイクリングロードを歩くと、川に白鳥が浮かんでいる。一匹、鳴いている子がいたので、観察していると、勢い良く水面を加速し、離陸しそうになった。どうやら白鳥は、飛んでいるときの他にも、離陸時に鳴くようだ。


 適当な所で折り返し、堤防を下り、公園で一休み。かつては畑だった所に建て売りの家が建ち、新しい家族が引っ越して来ている。遊んでいる子供を観察しているだけでも楽しい。その二人のきょうだいは、年の頃、小学校低学年と中学年の男の子二人。ブランコに乗り、走り回った後、道路脇に溜まった落ち葉を蹴っ飛ばし、出入り口のポールに座り込む。下の子の動きが速いので、お兄ちゃんがきちんと観察しながら、制御している。お兄ちゃんは大変だ。


 その後はドラッグストアでカミサンの飲むお茶と、私のジョージアの缶コーヒー5本組みとを買い、家に戻ってきた。


 天気が良かったので、車のレストアを開始しようと思っていたが、庭の手入れがまだ残っていたので、見えないところの枝を払い、草を刈り、袋に詰めた。今日も大きな袋三つになった。相変わらず、カミサンからは感謝の言葉を沢山もらったが、あいつは窓越しに私を見ていたにもかかわらず、うんでもすんでもない。テレビを見て、食いたいモノを食っているだけだった。もう、期待してはいないけれど、頭に来る。あんたがそうやって、糖尿病で死にかけたにもかかわらず、さんざん周りに迷惑をかけて、ちょっと調子が戻ったからと好きな物をめちゃくちゃに食い、テレビを見続ける生活ができるのは、誰のおかげなんだ。言ったところで、元公務員で、大きな権力を与えられていた頭でっかちの脳みそは、変わるはずがない。


 午後からは、インターネットを使った仕事の勉強をした。何とかできそうな気はするけれど、こればかりはやってみなければわからない。今は考え方を勉強している所で、もう少しすると実践となる。今回は頭の使い方をかなり教わり、メモも取りながら脳みそに叩き込んでいるので、今までとはやり方が少し違う。一応、会社を辞めることができればいいなと思っているが、毎度の事ながら、どうなるかはわからない。


 今の時期、三時を過ぎると暗くなってきて、一日が終わってしまうような感じだ。早めに夕食を済ませ、今週の休みも終わった。


 いろいろとあるけれど、何とか前を向いてがんばって行くしかない。


 さきほど、プラのごみを捨てに行ったら、モンスターエナジーの空き缶が一つと、コカ・コーラのペットボトルが五本あった。どうやら、袋小路の入り口に設置されている自販機まで、買いに行っているようなのだ。家のポストまで新聞も取りに行かないのに、自分の欲求を満たすためなら、できるんだよね。あのね、国民の皆様が必死になって納めてくれている保険を使って、しかもあんたはそれをたった一割の負担で使って、薬を飲んでいるから、糖尿病が抑えられているんだよ。それなのに、こんなものばかり飲んで、何様ですか?この税金泥棒め。あんたは長い間、それを取り締まる仕事をしていたんでしょうが。


 私までうつ病になってしまいそうなので、今回こんな事を書いちゃいました。本人にはどうでもいいけど、読んでくださっている方には不快な思いをさせてしまい、大変申し訳なく思っております。おわり。





 

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