ソファーの足のくつした
新しいソファーをIKEAで買い、先週の土曜日に無事届いた。
今までのソファーは、私がこの家に来た当初からあったもので、私が一緒に連れてきた「連れ猫にゃんちゃん」が引っ掻いたりしてぼろぼろになり、かつ、長年使い込んだこともあり、座面がへたり、買い換え時期を迎えていた。
このソファーもまた眉唾もので、ある日突然、カミサンが家に帰ると、その前のソファーと入れ替わっていたらしい。
当時から、義父とカミサンは犬猿の仲だったが、同じ屋根の下、一言も言葉を交わさずにこの家に住んでいた。義父は何を思ったか、娘のソファーを勝手に買い換え、勝手に配達されていたというのだ。
こんな事、普通ならあり得ないと思うが、実際にあった。
時節柄、財布が少しだけ緩んだ事も手伝って、今回、ソファーの買い換えとなった。
震災後、隣の新しく開発された街に、持ち帰り&組み立て家具で有名な、スウェーデンのIKEAができ、時々行くようになった。
何度か行き、小さな家具をいくつか買っている。大抵は持ち帰りができるので、車に積み込んで持ち帰り、私が組み立てている。
IKEAの家具の梱包の中には、世界中の誰が見ても理解できるように考えられている、独特のイラストで説明された組み立て説明書が入っている。
私はあまりこれを見ずに、入っている物を見ながら、直感なども頼りに組み立てるが、カミサンは何でも、はじめにじっくりと説明書を見てから取りかかる。
IKEAの家具は、大抵は私が組み立てる。
今回も私だけが休みの土曜日に、佐川急便の子会社が、朝一で配達に来てくれた。IKEAの家具は組み立てる部分が多いが、今回のソファーは、殆ど組み立てる箇所はなく、かなり大きな梱包だった。
家に入れてもらい、同時に古い物を引き取ってもらう。そこまでがIKEAの配達の約束なので、開封作業はなく、そこで終わりだ。
私は特大の段ボール箱を開封し、中から新しいソファーを取り出し、設置した。
組み立ては、足を取り付けるだけで、簡単だった。
新しいソファーは大変気持ちよく、カミサンも大喜びだ。しかし、しばらくして、カミサンがこんな事を言った。
「あれ? 足に靴下なかった?」
「そんなものないよ。でっかい箱をあけたら、こいつだけ入ってたぞ。もう一つの足の箱には足だけ。靴下なんかなかったよなぁ」
カミサンは早速スマホで、取説を見ている。
「取説もなかった?」
「ないよ」
「ほら、これあるはずなんだ。取説もあるはずだよ」
見せられた画面には、取説と、ソファーの足の靴下が、確かにある。
「わかった!ここだ」
取説を読み始めたカミサンが言った。
どうやらソファーの裏に取説入れがあり、その中に取説と足に履かせる靴下が入っているようだ。
「せーの」
さっそく二人でソファーを傾けると、座面の裏側に、取説と靴下が挟み込まれていた。
「こんな所見ないよな。箱から出すので精一杯だったからな」
言い訳を一つして、早速靴下を二人で取り付けた。
私しかいなかったら、永遠にソファーの靴下は座面の下に挟み込まれたままだったろう。今回はカミサン様々である。
この靴下、取り付けるとなかなか可愛いらしく、カミサンも大喜びしている。
毎日いろいろと大変だけど、やっぱり買ってよかった。
大事に使って行こう。
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