修理好き
四角い物と丸い物、メダカのビオトープが二つある。
土を入れ、石を入れ、苔を入れ、そしてメダカが入った。
これでよしと思いきや、事件発生。
四角いビオトープの足の付け根から、水が漏れている。この四角いやつ、製品としての本来の役割は植木や花を植えるプランターであり、水を張るのは本来の姿ではない。植木や花を植えた際には、下から水が抜けなければならないので、本来の役割である穴が二つ、製品の下に空いている。これを塞げば、水を入れても使えますよ、というのが売りだった。
私は水が止まるものだと疑わず、こちらは内側から蓋をした。丸い方も同様の仕様だが、こちらは外から蓋をした。
丸い方は蓋をする際に、手にいい感触があった。こちらの四角い方は、ちょっとゆるいよな、という感じだったが、やはりダメだった。
設置当日はそうでもなかったが、日を追うごとに水漏れは酷くなって行った。メダカを数匹入れたので、何とか水がなくならないようにと、朝晩水を注水して凌いでいる。
途中、何度か修理をした。水道用の小さなゴムパッキンを使ったり、水道用のシールテープを使ったり、通販で買った海外製の水漏れ修理テープなどを使ったり、天然ゴムの板を切って押さえつけたり、いろいろやったが、結局水漏れは直らない。
今朝も大きなサイズのじょうろ一杯分の水を注水して出てきたが、やはり気になる。水漏れビオトープにいたメダカ達はノン水漏れビオトープに無事移動したので、この点では安心なのだが、いかんせん、水漏れが気になって仕方ない。
内側からしてある蓋を外側からにして、ぎっちりとシールをして、強烈に押さえつけてやれば、こんなもの止まるはずなのだ。信じて疑わない自分は何なのか。
「すーにやってもらえばいいじゃない。時間もったいないよ」
運転の仕事を終え、そこそこ疲れて帰ってきた身体で、意地になって修理をしているのを見て、カミサンがついに口を出し始めた。
すー、とは、ピタゴラスイッチという番組に出てくる、修理とか、運転が大好きな「ねずみ」のキャラクターである。首だけが回るのだが、小さくて赤くて何とも言えずかわいい。「すーのうた」という歌まであり、彼のしゃべり方を、私達夫婦はよく真似している。
「今度新しいの買って来なよ。あれ、睡蓮鉢じゃないんでしょ?」
「いやだ。直すぞ」
「めだかはどうしたの?」
「移したぞ」
「あ、そー」
カミサンは整理が上手で大好きで、効率最優先。
私は整理が嫌いで修理が大好きで、効率不問。
この前、ドコモゴールドカードのiDキャッシュバックが入ったみたいだから、これが使えるホームセンターに行って、やっぱり睡蓮鉢を買ってくるかな。
最近は自己主張もその勢いが衰えてきて、最終的にはカミサンの言いなりである。
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