田舎暮らしの心構え
田舎暮らしに憧れている方は多いと思う。
でも、憧れにとどめておいた方がいい場合もある。
私は実際に屋久島に移住し、田舎暮らしの実情をこの目で観察してきた。
世界遺産の島屋久島に田舎暮らしの土地を買い、憧れの一戸建てを建て、移り住んだものの、長くは続かず、帰ってしまう人がいる。驚くなかれ、結構いる。
私がお世話になった不動産会社のホームページを見ると、一度購入された土地や、土地に建てられた一戸建ての家が、沢山売りに出されている。
これは何を意味するのか、考えてみて欲しい。
あなたは田舎暮らしに何を求めているだろう?
年金で優雅に暮らしたい、ただそれだけなら、田舎暮らしは辞めた方がいい。
田舎暮らしは、地域への貢献が(強く)求められる事を覚えておいて欲しい。実際に言葉や宣伝文句に出てこなくても、これは必須だ。
例えば、小さい子供がいるなら、それだけでオッケーだ。子供がいなくても、地域の消防団に入り、積極的に活動したいと思うなら、大歓迎を受けるだろう。
一方で、地域の集まりには参加したくない、地元の人とは距離を置きたい、と思っているなら、少しでもそう思って(しまって)いるなら、田舎暮らしは辞めた方がいい。
屋久島で、とても美味しいコーヒーを出すお店がオープンした。私はホームページで知り合ったお客さんと、何度かコーヒーを楽しみに行った。コーヒーもケーキも素晴らしく、大好評だった。
そのお店は、地方に住むとある方が、屋久島で田舎暮らしをしようと思い、頑張って土地を買い、建てたものだ。いくら屋久島とはいえ、土地と建物を合わせれば、軽く一千万以上にはなる。
しかし数ヶ月後、そのお店は閉店し、店長は実家に帰ってしまった。
5ちゃんねるも真っ青の屋久島情報網によれば、オーナーは、屋久島にはジムがないから、という理由で、島を去ったらしい。
確かに腕が太く、当時漁師で鳴らしていた私でも、ちょっと敵わないオーラが出ていたのを思い出した。
悪いことは言わない。人間、今まで長い間住んできた土地が一番その人に合っている。
田舎暮らしは難しい。
時々話題になるものの、それ程にブレイクし切れないのには、それなりの理由があるのだ。
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