ダニエル=クルーガー効果によるISK現象と認知的嫌悪感の証明

ちびまるフォイ

知ったふうなことを書くんじゃないよ

ダニング=クルーガー効果をご存知でしょうか。



これは認知バイアスの一種で、

人間が自身の不適格性を認識できないことで発生し

本来以上の評価を行ってしまうことを意味します。



……と、言ってもなんだかわからないですね。



もうなんとなくご存知かと思いますが、

この「ダニング=クルーガー」というのは人名によるものです。


ダニングさんと、クルーガーさんが定義した心理効果です。


彼らは学生を集めると、とあるテストを実行しました。



「これからみなさんに紙を配ります。

 その紙には自分の能力を記入してください」



紙にはさまざまな項目がすでに用意されていました。

ユーモアのセンスや数学的理解などです。


学生たちは自分自身の自己評価を記入して提出しました。

その後、学生たちの記入した紙を開封して各能力値を集計し順位をつけました。


すべて最高値を入力した学生はもちろん1位。

逆に、低い能力値に設定していた学生は低い順位となります。



さて、自分自身で設定した能力値で順位を決めるなんて

少年誌のキャラで「誰が最強か」を議論するくらい盛り上がりそうなものですが

検証に協力した学生はちっとも楽しそうではありませんでした。


というのも、その順位には自分自身の設定値で決められますが

同時に他の人からの設定値も並べて書かれていたのです。



1位 ヤマダ 自己評価:1000pt (他人評価:30pt)



こんなふうに。


面白いことに、自己評価が高い人間ほど他人からの評価が低く

自己評価が低い人間の方には他人から高い評価が集まっていました。


そう、優秀な人ほど自己評価が低かったのです。


上位にいけばいくほど「俺ってすごいんだぜ」の勘違いくんが多く、

自分を高く評価した学生はすっかり恥ずかしくなってしまいました。



「なるほど。無能ほど自己評価が高いんだな。証明終わり」


「待て待て、ダニング。このテストだけで判断するのは早い」


「というと?」


「東アジアの島国では自分を謙虚に見せることが美徳とされていると聞く。

 つまり、あえて自己評価を低くしたことで自分をよく見せるためのものかもしれないぞ」


「その発想はなかった。

 相手にどう見られるかが含まれると結果が変わるのかもしれないな」


「今度はインタビューをしてみようか」

「OK、ダニング」


彼らは今回のテストを知らない学生を見つけてインタビューを実施しました。

ただし誰でもいいわけではなく、一部の授業を取っている学生を狙い撃ちにしました。


「こんにちは、あなたは地理学を取っている学生ですか?」


「そうですけど」


「実は、今ちょっと地理学についての学生の授業理解について統計を取っているんです」

「はぁ」


「『ライマダハル効果』『グラウンズ=オーバー現象』

 『プレートストレーダ実験』『国際コランズム整理法』

 これらの中で、知っている用語はありますか?」


「あ、ああーー……ライマダハル効果は知っていますね」


「そうですか、ご協力ありがとうございます」


彼らは他の学生を引き止めてはアンケートを実施しました。


もちろん、これらの効果はすべてでっちあげた嘘っぱちです。

どの用語も存在しない架空の用語です。


「できたぞダニエル」

「クルーガー、それで2つの結果はどうだった?」

「予想通りだ」


彼らは聞き方を変えて同じ用語を別の人に出していました。


1つは「この中で知っている用語はありますか」

もう1つは「この中で知らない用語はありますか」と。


結果は「知っている」と答えた人は「知らない」と答えた人よりも多かったのです。


「人間とは自分が頭良いと思われることには肯定的なんだな」

「逆にバカを晒すようなことには否定的なようだ」


その後、彼らが導き出したのは『ダニング=クルーガー効果』です。




< ダニング=クルーガー効果 >


・能力が低い人間ほど自己評価が高い。


・自分が優れていると思われるように知ったかぶりをしがち。




こういったものがダニング=クルーガー効果です。



……おや? その顔は誰か思い当たる方がいるようですね。





主人公

「フッ、今のは魔術結界を応用した焔魔法の応用だ。

 俺のいた世界じゃ粉塵爆発って言われていたがな。

 魔力貯蔵をブーストして燃焼を加速させたのさ

 \キャースゴイ/\サスガ!/\カッコイイ!/」





異世界に行った途端にイキりはじめることを「ISK現象」と言うそうですよ。

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