〈おっぱい36〉 有江
『それでは、お便りの方を紹介します! 先ずは、ペンネーム……有江警部さんからです!』
うん……?
有江……警部?
『なんで貧乳を愛しちゃいけないの!? 僕は巨乳は汗臭いから嫌なの! 殺されたくないよ! はい……! それでは、早速一通のお便りを紹介しました! 有江警部さんは、どうやら貧乳だけを愛しているみたいですね! おっぱい差別は、大罪です!』
お便りの内容、それだけですか? てか、ペンネーム有江警部? 内容的にも、タイミング的にも、今のって、もしかして
でも、殺されたくないってどういう事?
なんだか、ちょっぴり不吉な予感がした。でも
『それでは、次回の放送もお楽しみに! ツーユーステーション☆』
ラジオ、終わるの早っ!!!!
短いお便り一通読んだだけじゃない!!!!
まぁ、可愛い声だったし……いいか。何故か、
嫌な事は忘れ、おっぱいの事だけを考え、おっぱい堂前まで歩いた。
その時……。
「あの……」
突如、声をかけられる。振り向くと、おっぱい堂入口に、髪の長い、一人の美しい女性が立っていた。
「見ない顔だね。もしかして、おっぱい教の新規入会者?」
「ぱ……ぱい、そうです……」
「可愛いね! 名前は何て言うの?」
「尊田 萌です」
「萌ちゃん! すっごく好みだ! 私、あなたのガチ勢になっちゃいそう!」
「そ、その声……さっきのラジオの人?」
数分前まで聞こえていた、ラジオの声の主だ。間違いない。
「そうよ! 聴いてくれたのね!」
そりゃ、嫌でも聴こえますよ。
「私は、おっぱい村の村長……
「ツユウさん、よろしくお願いします」
村長だったのか。
私は、ペコリと軽くお辞儀をした。
「まだ、萌ちゃんはこの村の事をあまり知らないだろうから一つ忠告しておくけど……おっぱい神は全てをお見通し……。くれぐれも軽率な行動はしちゃダメよ。裁きを……受けたくないならね! その事を、しっかりおっぱいに刻んでおくことよ……」
ツユウさんは、真剣な表情だ。これは、私への警告? でも、私は、陸様に歯向かったりする筈がないから大丈夫。
「それじゃあ、萌ちゃんのぱい運を祈るわ!」
ツユウさんは、村の方にさっさと消えて行った。なんだか、不思議な人だ。
散歩するつもりだったけど、ちょっとモチベーションが下がってしまった。
もう完全に日も暮れているし、おっぱい宿舎に戻るか……。
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