〈マッスル8〉 マスルトトキシン
「心臓が止まっている!
一方で、
実は、私も好きだ。
いや……今はそんな事どうだっていい。
殺人とは、一体どう言う事なんだ?
「万鳥くんから、筋肉毒の一種であるマスルトトキシンの匂いがした……。タバコの臭いよりも強烈にね……」
マスルトトキシン?
初めて耳にした。
「風炉島ちゃん……。
「わ、分かったわ! がぶっ!」
どんだけブロッコリーが好きなんだよ。てかそれよりも……犯人がこの中にいるの?
「恐らく、マスルトトキシンは、万鳥くんが飲んだプロテインの中に混入していたんだ!」
「え、でも誰がどの種類のプロテインを飲むかは分かんないじゃん!」
私は、デジルに率直な疑問をぶつける。
「そうよ、デジルさぁん。アタシ、万鳥おじさんと同じ紅茶味のプロテインを飲んだのよ。アタシは、今でも元気よ!? 原因は、プロテインじゃないわ」
朋岡さんの言う事が正しい。私は確かに見た。朋岡さんが、万鳥さんの分のプロテインを入れている所を。
あ、でも待って。
もし朋岡さんが犯人なら、あの動作の中でこっそり毒を入れる事が可能な瞬間はある……!
となれば、デジルは朋岡さんを疑っているの?
「いや、原因はプロテインで間違いない。無江くんが来れば、直ぐに判る」
そう言いながら、デジルはド派手にスーツを脱ぎ始めた。ネクタイを解き、上着を脱ぐと、シャツを両手で引き千切った。露わになる上半身。そして、ベルトを破壊し、ズボンも脱ぐ。
あの時と同じ、ブーメンランパンツ姿となった。
素晴らしい筋肉だが、冷静に考えるとやはり変質者。
しかしデジルは、この姿で推理をする時にこそ真の実力を発揮するのだ。これが、一種のルーティンである事は有名。
「私の腹直……。いや……直感が正しければ、犯人はキミだ!」
一瞬、腹直筋と言いかけてしまったようだが、デジルは私の後方に立つ人物を指差した。
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